今週の月曜日は、娘が通う中学校の「文化発表会」だった。
人権作文を書いたクラスの代表者が、意見発表をしたり、合唱や吹奏楽部の演奏があったりとなかなか楽しい。
合唱はクラス対抗なので、自然と力も入るらしく、金賞を取った三年生は号泣していた。
泣くほど一生懸命になれるって良いよなぁと、毎度のように学校行事でもらい泣く。
場所は、小平市のホール。
実は、このホールから徒歩1分の借家に、20年ほど前に住んでいた。
夫と結婚して、初めて一緒に住んだ家。
交差点の角地に建っていた家なので、時々、見知らぬ車が我が家のブロック塀に激突した。
単体で突っ込まれもしたし、車同士、車とバイクという事故もあった。
回数も増えると、こちらもだんだん手慣れて来て仕切りも上手くなり、その都度、警察に電話し、動転している運転手をフォローし、散らばっているおかもちやお寿司を拾って片付けたりもした。
最初の子どもを流産したのもこの家だし、飼い猫が2匹とも猫エイズで死んだり、夫とケンカをしていたら、警官が「大丈夫ですかっ!!」と、飛び込んで来たのもここ。
新婚だったのになぁ。
そんな思い出しかないのかと、我ながら残念に思うが、なんだか懐かしくて、少し町を歩いてみた。
この町を離れて、もう15年以上経つ。
変わったようで、変わらない、変われない町。
築45年以上のかつての我が家は、妙に薄っぺらくリフォームされていたのに、車が激突してもへこたれない頑丈なブロック塀は、そのままどっしりとたたずんでいる。
アンバランスな対比が、ちょっと笑えた。
13歳の娘を連れて戻って来たよ。
私、まだまだ歌っているし、ボイストレーナーにもなって、旦那も元気だよ。
心の中でそう伝えると、30代前半の私がブロック塀の側で、照れ臭そうに不機嫌そうに笑った、気がした。