銀座で歌った翌日は、日曜日。
ある福祉施設の、勉強会の日。
それが、どうしてなんだか参加予定が、頭からスポンと抜け落ちた。
行きます!勉強します!!
と、先方に答えておいて、見事にスルーした。
無事、歌い終わった安堵からか、脳が機能停止したとしか思えない。

そんなまだらボケの私が、勉強会の時間帯に、どこにいたかというと…
自宅から歩いて2分の、森の中。
地元民は、この森を屋敷森と呼ぶ。
そう、個人宅のお庭が森になっているのだ。

ここ細田邸は、都内に唯一現存する茅葺屋根の家屋。

元々は、細田銀次郎さんという方が、お漬物工場を営んでおられた。

門を入ると、こんな道が続く。
これだけで、ビックリ。



これでも、元々の敷地の半分しか残っていないのだそうだ。

鶏小屋もある。



自宅庭に、見上げる程の大木もある。



見事なお屋敷。
なので、ハクビシンも狸も、蛇も暮らしている。
夏になると、ヒルも落ちてくるらしい。
さすが、本物の森。
東京都内、すてたもんじゃない。

築百数十年以上の茅葺家屋。
実は、一般公開は初めてだとのこと↓



かなり柱が傾いている。

今回の一般公開は、中野たてもの応援団の主催。
建物の前では、地元の伝統芸能「鷺宮囃子」の演奏&獅子舞やお神楽の披露。




大黒様がまく、幸せの飴もゲット。
縁起良さそうで、良いねぇ!!

展示されていた、丸銀の粋な看板↓



斬新なデザインのラベル↓



そして、室内は、囲炉裏あと↓




ここまでくると、だんだん怖くなる。
ボロボロの障子↓



庭には、朽ちた果てた昔風の冷蔵庫↓



祠もある↓



貞子が出て来そうな、古井戸↓



あぁ、なんか、あるよね。
いろいろ。
と思いたくなってくる。

足元をふと見ると、無造作に転がっている、動物の骨らしきものも発見し…

偶然一緒になった、絵本作家のもとしたいづみさんは、
丁稚奉公に来た人たちが、そこここに埋まっているんですかね・・・
と言う。

わはは!それは、すごいね~!
と笑いながら、そうかもね・・・
森は、奥が深いから。
と思う。

そう、私は異界に迷い込んでいた。
無事に家に帰れたのが不思議なくらい。
きっと、出口でちゃんと募金をしたから戻ることが出来たんだ。
あの募金箱を素通りしたら、きっとずっと森から出られなかったのに違いない。

だから、勉強会に出られなかった。
ということだと思う。
うん、それでいこう。