自分の魅力や強みは、なかなか分かりにくいもの。
「あなたの良さって、〇〇だね」
とほめられても、なかなかピンときません。
だって、自分にとって当たり前のことが多いから。
人間は、「ないものねだり」が好きなんです。

◆客観的な目や耳を持つ

ないものねだりも、たまにはOK。
高みを目指して、向上できますものね。
でも、行きすぎると苦しくなります。
登る途中で、息切れもします。
ですから、時々、客観的な目や耳を持っている他人に、アドバイスをもらいましょう。
「あなたの〇〇が、素晴らしいじゃない」と。
すると、「ないもの」じゃなく「あるもの」が、足元に見えてきます。
このシフトチェンジは、かなり強力。

◆「あるもの」の価値

これは、ボイストレーニングでも重要なこと。
ないものねだりで、求めてばかりでは、ダメ。
いったん「素」の自分に、降りて行くんです。
「素」の自分が嫌いなうちは、声が出せません。
どんな姿でも、「素」の自分が受け入れられれば、本来の輝きある声に出会えます。
あなたが、持って生まれて来たもの。
すでに、あなたの中に「あるもの」。
その価値を認める。
それができれば、とたんに声は自由になります。

◆愛あるフィードバックを集めよう
私たちは、他人という存在を通して、自分自身と出会います。
周囲の存在は「鏡」です。
自分を否定している人は、他人も否定します。
自分を受容している人は、他人も受容できます。
同じ「鏡」ならば、愛のある「鏡」を選び、
あなた自身も、愛のある「鏡」になりましょう。
あなたが、周囲の人に心をひらき、彼らの魅力や
強みについて語ると、必ずあなたに返ってきます。
そしてあなたは、あなた自身に出会えます。
それは、生命力にあふれ、束縛から解放された、
自由でのびやかな、本当のあなた自身です。

(2012年4月11日発行号より)