うつ病や、トラウマなどから生じるさまざまな身体的症状は、脳にできた傷が原因だと言われるようになりました。

その傷を癒すのは何か。

お日様を浴びて生活のリズムを整え、身体を温め、バランスのとれた食事や適度な運動をすることなど、必要なことはたくさんあるでしょう。

でも私は、最も大切なのは「歓び」だと思っているんです。
言い換えると、「遊び」。
「遊び」は、「隙」とか「ゆとり」とか「無駄」という意味もありますよね。

患者さん達は、効率優先、思考優先の世の中で、心も頭も身体も疲れ切っていて、「遊び」がなくなっています。
ですから、ボイトレで一番大切なのは、「遊び」。
この遊びを生むために、まず、笑ってもらいたいなと思うんです。

笑うと、息を抜くことが出来るでしょう。
表情が動き、筋肉がゆるみ、血流が良くなり、脳も活性化するんです。
生活習慣病などの悪化を抑える成分も、血中に出てくるようですしね。

無理なく自然に笑うことができれば、患者さん達の「何か」が変わります。

もしも笑えなければ、歌えばいい。
歌うのが嫌なら、おしゃべりだけでもOK。
しゃべることさえ苦痛なら、シンプルに声を出せば良い。

そんな小さなことの積み重ねが、「遊び」になり、「歓び」を導く光になるのではと思っています。

「遊び」は、もしかしたら、「愛」のひとつの形なのかもしれません。