博子さんは、小学校のベテラン先生。
歌うことが、最大のコンプレックスだった。
もう5年もレッスンに通って下さっているが、発表会の時期が来ても、博子さんは何も言わない。
私も、何も触れずに来た。

それなのに、今回は「出たい」と自ら志願。
驚いた。
そして、ものすごく嬉しかった。

「一曲だけで良いです。
一曲だけ、一生懸命歌います」

そう言って、何ヶ月も練習していた曲。
そして、本番当日。
震えながら、博子さんは歌った。
博子さんの歌声は、博子さんの存在そのもの。
真っ直ぐに、お客さまの元に飛んで行った。

終演後、博子さんの歌に対して、お客様からメールをいただく。

「がんばれ~!」と応援するような気持ちで聴いていました。

何人ものお客様が、感動し涙をこぼしたと言って下さった。
誠実に、切実に何かを乗り越え、生きようとしている人の思いに勝るものはない。

終演後の博子さんの晴々とした笑顔に触れて、周囲の人たちも、解放感や歓びに満たされた。
ありがとう、博子さん。

みんなでご挨拶↓
濱田真実の~☆声美人で愛される人になる☆~-挨拶

あきこちゃんは、いつも考えている。
エネルギーも感受性も強すぎるので、いつもいつも考えて、自分の思いに振り回されてしまう。
もっと、楽ちんで良いのに、もっとぼんやりで良いのに。
と思うのだけど、20代の頃の私も、考え過ぎて深みにはまってもがき続ける毎日だった。

無理もないな。
若いってことは、悩めるだけのエネルギーがあるってこと。

若いという字は、苦しい字に似てるわ~♪

という歌があったけど、若い人には分かるまい。
今は、苦しくても良いんだと思う。
根を、地中深くのばす時期だから。
自分でいることを、あきらめなければ良い。

そして、あきこちゃんは、舞台で歌った。
あきこちゃんの感性で選んだ曲を。

練習している時期、「今回は、1曲で良いんじゃない?」という私に、「いや、どうしても2曲歌いたい」と言い張った。

そうだ、そうだ。
それで良い。
若いというのは、そういうものだ。

あきこちゃんの独特の声、感性、表現。
本番が、一番良かった。
人前でこそ輝く、と言う種族がいる。
そのために苦しむこともあるけど、これは、持って生まれたものだから仕方ない。

「あの人、世に出られるひとかもね」と、友人のあきこちゃん評。
「かもね」と私。

悩んでもがいて、経験して、踏み外しすぎないように、自分の土地を充分に耕しておいて。
きっと、季節がめぐれば、花は咲くはずだから。

打ち上げで乾杯↓
濱田真実の~☆声美人で愛される人になる☆~-打ち上げ