呼吸の奇跡☆声の魔法より~91・子供の頃のあなたは | 浜田真実*しげのぶ真帆 文筆と朗読の「まほろふ舎」

浜田真実*しげのぶ真帆 文筆と朗読の「まほろふ舎」

昭和の終り頃、シャンソン喫茶「銀巴里」にて歌手デビュー。平成の中頃に、心と身体を整えるボイトレ教室「マミィズボイススタイル」オープン。「声美人で愛される人になる」「説得力のある声をつくる」等出版。この頃は「しげのぶ真帆」名義で、文章を書き朗読もしています。

ふと振り返ると・・・

わが娘に言った言葉で、一番多かったのは「早くしなさい!」。
これは、私もよく言われた言葉です。

◆子どもの時間 大人の時間
大人と子どもは、同じ24時間でも、まったく違って感じているんでしょうね。

大人の時間は、飛ぶように過ぎて行きます。
だけど、子どもの時間は永遠のよう。

私も幼い頃は、木が風をはらんで揺れるのが面白くて、何時間もあきずにながめていました。

何でもないビー玉にも、宇宙を観ていましたしね。
単なるガラスの気泡でしたが、本当に美しかった。
私の友人は、お味噌汁の湯気の粒子を見て楽しんでいたようですよ。
そうそう、私も、ずっと見てました。

親は、そんな私が相当イライラしたらしく、いつも、きつく叱りました。
「早くしなさい!」と。

◆ゆっくりではいけない
叱られるたびに、子どもは必死に改善しようとします。
そして社会に出るころには、すっかり親のお小言が染み込んで、別人のように育ちます。

私も、仕事が早くちゃっちゃとこなせる、しっかり者に育ちました。
いえいえ、「何かに追い立てられるように生きる人」になったのかもしれません。

ゆっくりするのは、ダメなことなんだと。
そして、スローなペースの人を見ると、無性に腹が立ったりもしました。
自分も本当は、超スローモーションの人だったのに。

◆ゆっくりでいいんだ
「メソメソするな」「危ないことはするな」「さわぐな」「我がままを言うな」「ボヤボヤするな」・・・
ちゃんと生きて行くためには、どれも必要なことです。

でも実は、その禁止された部分の中に、私たちの本質が隠れているのだとしたら・・・
これは、取り戻した方が良いかもしれません。

「泣いてもいい」「冒険してもいい」「はしゃいでもいい」「ぼんやりしてもいい」・・・

私も、「ゆっくりじっくりで良いんだ」と、自分に許可をしました。
すると、スローペースの人を見ても、腹が立たなくなりました。

私の身体からも、不要な緊張感が取れて、とっても楽になりました。

◆声は、あなたの本質
あなたの声は、あなたの本質とリンクしています。
無意識に本質を抑えていると、声も抑えられて、緊張感の強い声になってしまうんです。

「何だか、声が出しにくい」と感じるときは、「〇〇してはいけない」と本質を抑えているときなのかもしれません。

今日、ほんの少し時間をとって、あなたの子どもの頃のことを思い出してみませんか?
もしも「〇〇してはいけない」という大人の声に気付いたら、「〇〇してもいい」と置き換えて見て下さい。

そして、実行!
私は、今日、空白の時間をゆっくりと楽しんでみます。
あなたは、どう過ごされますか?

 ~あなたの毎日が、歓びと美しい響きに満ちて
     幸せでありますように~

(2011年7月8日発行号より)