ふと振り返ると・・・
わが娘に言った言葉で、一番多かったのは「早くしなさい!」。
これは、私もよく言われた言葉です。
◆子どもの時間 大人の時間
大人と子どもは、同じ24時間でも、まったく違って感じているんでしょうね。
大人の時間は、飛ぶように過ぎて行きます。
だけど、子どもの時間は永遠のよう。
私も幼い頃は、木が風をはらんで揺れるのが面白くて、何時間もあきずにながめていました。
何でもないビー玉にも、宇宙を観ていましたしね。
単なるガラスの気泡でしたが、本当に美しかった。
私の友人は、お味噌汁の湯気の粒子を見て楽しんでいたようですよ。
そうそう、私も、ずっと見てました。
親は、そんな私が相当イライラしたらしく、いつも、きつく叱りました。
「早くしなさい!」と。
◆ゆっくりではいけない
叱られるたびに、子どもは必死に改善しようとします。
そして社会に出るころには、すっかり親のお小言が染み込んで、別人のように育ちます。
私も、仕事が早くちゃっちゃとこなせる、しっかり者に育ちました。
いえいえ、「何かに追い立てられるように生きる人」になったのかもしれません。
ゆっくりするのは、ダメなことなんだと。
そして、スローなペースの人を見ると、無性に腹が立ったりもしました。
自分も本当は、超スローモーションの人だったのに。
◆ゆっくりでいいんだ
「メソメソするな」「危ないことはするな」「さわぐな」「我がままを言うな」「ボヤボヤするな」・・・
ちゃんと生きて行くためには、どれも必要なことです。
でも実は、その禁止された部分の中に、私たちの本質が隠れているのだとしたら・・・
これは、取り戻した方が良いかもしれません。
「泣いてもいい」「冒険してもいい」「はしゃいでもいい」「ぼんやりしてもいい」・・・
私も、「ゆっくりじっくりで良いんだ」と、自分に許可をしました。
すると、スローペースの人を見ても、腹が立たなくなりました。
私の身体からも、不要な緊張感が取れて、とっても楽になりました。
◆声は、あなたの本質
あなたの声は、あなたの本質とリンクしています。
無意識に本質を抑えていると、声も抑えられて、緊張感の強い声になってしまうんです。
「何だか、声が出しにくい」と感じるときは、「〇〇してはいけない」と本質を抑えているときなのかもしれません。
今日、ほんの少し時間をとって、あなたの子どもの頃のことを思い出してみませんか?
もしも「〇〇してはいけない」という大人の声に気付いたら、「〇〇してもいい」と置き換えて見て下さい。
そして、実行!
私は、今日、空白の時間をゆっくりと楽しんでみます。
あなたは、どう過ごされますか?
~あなたの毎日が、歓びと美しい響きに満ちて
幸せでありますように~
(2011年7月8日発行号より)