声を押し殺して泣く子ども

今朝、新聞の投書欄に掲載されていた記事を読んで、途端に胃が痛くなった。

スーパーの店内で、ベビーカーに乗せられた1～2歳の男の子が、ふっと手を伸ばして食品に触ったらしい。するとその母親が、すかさず男の子の頬をビンタ。
彼は、よだれかけのようなものを口に当てて、涙をポロポロとこぼしながら声を押し殺して泣いていたのだそうだ。
その後、母親は何事もなかったかのように、買い物を続けたとのこと。
投書の主は、『たぶん、男の子は、日頃から声を出して泣くことを禁じられているのだろう。声を押し殺して泣く子どもを見たくない』と結んでいた。

本当に、つらい。
心も胸も胃も痛い。

子どもが泣くと、そりゃ、うるさい。
神経を逆なでするように、イラつく。

だって、それは、そうだもの。
そういう音声で泣かないと、母親に危険を知らせることが出来ないからだ。
だから、子どもは不快な周波数の音を出して、母親の注意を引く。
そういう風に、出来ているんだ。

子どもはワンワン泣く。
うるさいくらいに泣くものだ。

そうすることで、脳からストレスを追い出し、感情を解放させる必要もあるからだ。
大人だって、声を上げて泣かなきゃいけない時もあるのに。

問答無用で叩かれ、痛みと恐怖を感じても、わずか1～2歳で泣くことを禁じられた子どもの悲しみを思うと、胸が痛くて泣きたくなる。

子どもは、「物」じゃない。

声を出して、泣いていい。
思いきり、怒ったり、叫んだり、笑ったりしていい。
お母さん、お母さん、あなただって、声を上げて泣いてもいいんだよ。

それが、当たり前の人間が、当たり前にしていいことなんだから。