私がボイストレーニングを行っているのは、声を出すことのかけがえのなさ、大切さが身に染みて分かっているから。

つらい、悲しい、苦しいという本音を、本当の想いを声に出さないために、心と身体を壊して行く人が、とてつもなく多いから。

「助けて」と叫ばないと、誰にも気づかれない。
「本当は、こうしたい」「本当は、こうなりたい」と声を上げなければ、何も変わらない。

だから、私は聴く。
目の前の人の本当の音を。
自分が奏でている本当の音に気付けば、人は自由になれると私は信じているから。

だから、私は歌う、話す。
私の本当の音で。

「助けて」と言えない子どもや、まだ言葉を持たない我が子を、無残にも殺す親になる前に、
どこかでお節介な誰かと出会っていれば、
自分の本当の音に気付けていれば、
子どもは死ななくてもすんだかもしれないのに。

自分の心を、未来を、希望を、これ以上殺さないで

声を出さなければ、人とはつながれない。

本当の気持ちは、人に伝えてもいい。
助けてと言っていい。
あきらめないで。

私も、あきらめない。
軽くお節介をやきながら、あなたの本当の音に、耳を澄ますから。