東京は冷たい雨。
こんな時にも、レッスンに足を運んで下さる生徒さん達。

「私ね、地震があった後、どこに一番行きたいと思ったかというと、ここだったんです。
声を出して、コミュニケーションをすることが大事だと痛感したから。
歌も歌えるようになって、目の前の人と自分の音声で関わりたい」

と言って下さったのは、介護施設に勤める看護師さん。

「声、出さなきゃいけないと感じているんです。
気持良く声が出せる様になったら、自分の中の何かが変わる。
そう強く思えるので、来ました」

これは、液状化で道路が寸断された、千葉から来て下さった23歳の青年の言葉。

「私、歌は苦手だけど、卒業する子供たちに希望の歌をプレゼントしたい。
一生懸命練習して、歌ってあげたい。
こんなこと初めてです。
でも、ここでレッスンできるので、助かります」

ずっと口パクで通して、歌を避けて来た小学校の先生が、子どもたちの卒業式で歌の贈り物をすることに決めました。

「声って、不思議ですね。
歌や朗読だけじゃなく、日常の会話も良い声で話せたら、その音だけで人を幸せにすることが出来るんですね」

地震当日、帰宅難民をお世話した公務員の女性の気づき。

レッスン室で、それぞれの物語を生きる生徒さんとお話していると、それだけで私も元気になれる。
たくさんの気づきもいただける。

ありがたいなと思う。

何を信じ、何を選び、どう行動するか。
それを突きつけられている、今。

誰が何を選んでも、自由。
非難したり、押し付けたりする必要はない。

私が選んでここに来た。

そう言って下さる生徒さん達に、しっかりと支えられているのを感じる。

声、出しましょう。
今こそ。自由に。


◆ボイストレーニングのマミィズボイススタイル
◆濱田真実のハナウタ三昧