以前、ボイストレーニングクラスの生徒さんから、素敵な本を頂きました。

あなたには夢がある 小さなアトリエから始まったスラム街の奇跡/ビル ストリックランド

¥1,680
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この本をご存じの方も多いと思いますし、私のメルマガでも何度か取り上げました。
しつこくもまた、ご紹介したいと思います。

著者のビル・ストリックランドは、アメリカの有名な社会起業家です。


◆アートとの出会い

ビルは、貧困が蔓延し、犯罪が多発するスラム街で生まれ育ちました。

非行に走り、落ちこぼれかけていた高校生の頃、ある美術教師と出会います。

「奇跡は起こる。きみは自分の手で、奇跡を形づくることができる」

ビルは、その教師の元で陶芸を学びます。

そして19歳の時、スラムの中に小さなアトリエをオープンしたのです。

それは、スラムには異質の雰囲気を持つ場所。

清潔で美しく、いつでもコーヒーの香りとジャズが静かに流れる、上質な空間でした。


◆環境が人を創る

ビルは、身を置く環境が人を創ると言います。

貧しさに夢や希望を失っている人たちが、「こんなに素晴らしい場所に、私もいて良いのだ」と感じられたら・・・

それだけで、態度や行動が変わります。

ビルのアトリエを、スラムで暮らす貧しい少年たちが訪ね来るようになりました。

彼らは上質な空間でくつろぎ、音楽や芸術、魂の歓びを創り出す「アート」を学び始めました。

アートは自分自身と向き合い、創造性を活性化させ、美しさを感じる感性を養います。

「自分も、美しい作品が生み出せる」と気付いた少年たちは、人間としての「尊厳」を取り戻して行きました。

ビルのアトリエは、やがて全米にも知れ渡る、大きな社会貢献事業に発展したのです。


◆「ジャズ」イコール「本当の自分」

ビルは、傷ついた人々には「心が躍るような体験によって、自分自身の可能性を肯定する抑揚感」が必要だと言います。

それを彼は、「ジャズ」の瞬間と呼んでいるのです。

ジャズに先入観や思い込みのある私には、最初はちょっと分かりにくい感覚でした。

でもそれは、魂が解放された歓びであり、自由な創造性の輝きでもあり、最高にワクワクする瞬間だと気づきました。

つまり、「本当の自分自身」と出会う瞬間のことです。

誰にでもある、ジャズの瞬間をつかむ。

それが、自分を肯定し失った尊厳を回復するためには、とても重要なことだと、ビルは知っていたのです。


◆アートにはジャズがある

私は、アートにこそ、このジャズの瞬間があると信じています。

それは、芝居、楽器演奏、文章、絵画、ダンス、造形、写真、映像、歌・・・

何でも、良いんです。

好きだ、楽しいと思えることを、子どものように夢中になって向き合っている時に、ジャズの瞬間がやって来ます。

全ての表現芸術の中に、本当の自分と出会う瞬間が隠されているのです。

これは、テクニックや理論などの、難しいことではありません。

失敗を恐れず、動いて、感じてみて、はじめて触れられるものが「本当の自分自身」です。

私は、全ての人間は、アーティストだと思っています。


私の夢、それは、ビル・ストリックランドが育てたような美しいアートのシステムを、この東京に創ることです。

「あなたには夢がある
 ~小さなアトリエから始まったスラム街の奇跡~」

著・ビル・ストリックランド 訳・駒崎弘樹
http://tinyurl.com/5s8rrgp
  

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(2011年2月8日発行号より)

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