成城学園前の成城ホールへ行った。

$濱田真実の声と呼吸とハナウタ三昧♪-110121_2108~01.jpg

葦牙~あしかび~というドキュメンタリー映画の上映会に参加。

児童虐待で、親元から引き離された子どもたちが暮らす、盛岡のみどり学園という児童養護施設に監督や撮影スタッフが4か月間泊まり込んで、完成させた作品だそうだ。

今、この国では3日に1人の割合で、子どもが虐待で殺されている。

そんな悲惨な暮らしを乗り越えて、かろうじて生きながらえ、施設で暮らすことになった子どもたち。

しかし、その心には「何故、自分なのだ」という問いが消えない。

どうして、捨てられたのか。
どうして、親は来てくれないのか。

子どもの、遠くを思う目が痛い。

映画は、愛着を「執着」と「暴力」でしか表現できない子供たちを淡々と追う。

親からの電話を話しもせずに切った後で、カメラに向かってスリッパを投げ、笑いながら唾を吐く幼い少年。

大好きなカメラマンに、自分の混乱した複雑な感情を伝えるのに、暴力という表現しか持っていないのだ。

それでも、子どもは親を強烈に追い求める。

「僕は、家族が大好き」と言い続ける少年。
「お兄ちゃんや、お母さんが僕を嫌いだと言っても、それでも僕は家族が好き」だと言う。

彼の思いに向き合う、職員の視線。

16歳の高校生の男の子が言う。

「自分の目標は、暴力の連鎖を自分の代で止めること。自分がされたことを、絶対に自分の子どもにしないようにすること。そして、幸せな家庭を築く。それが僕の目標」

環境が、子どもの精神を鍛え、親をはるかに凌駕して、大人に成長させている。

葦牙とは、葦の若い芽のこと。
たくましい生命力の象徴だそうだ。

人間は愚かだ。
生きることは、苦しい。
でも、希望を糧にできる。
必ず光はある。
命を燃やして生きることはできる。

子どもたちの未来に、光あれと祈らずにはいられない。


私が今年、友人の映像ディレクターと組んで撮る作品。
虐待を受けた子どもたちと、子どもシェルターを描くドキュメンタリー映画です。

◆サンシャイン~神さま、わたし生きていていいですか?