「声を出そうとすると、ノドが詰まったように感じます」
「ノドが詰まって、声が出しにくいんです」

ノドの詰まりには、さまざまな原因があるので、一概にはお答え
はできないのですが、今回はその要因となるものを、ほんの少し
ご紹介します。


◆首のコリ

デスクワークが主体の人、日頃あまり身体を動かすことのない人
などは、首や肩がいつも緊張しています。

緊張が続くと、この部分がコリ固まってきます。

ノドが詰まったように感じると訴える人は、首の後ろが、カチカ
チにこっている人が多いのです。

このような状態になると、話すときにアゴが上ってきます。

アゴが上がると、舌の根っこの筋肉がノドの奥側に引き下げられ
るために、余計に首に力が入り、ノドが絞まってくるのです。

「首の後ろを解放する」

これが、ポイントです。

●アゴを引いて、首の後ろ側を伸ばしてみましょう。
 頭蓋骨と首の骨の境目辺りが、外側に開くように感じられたら
 OKです。

 日頃から、この姿勢を意識していましょう。

●首の後ろの骨の部分を触って、ちょっと飛び出した骨があった
 ら(第七頚椎)、その周囲を優しくマッサージしてあげましょ
 う。ここは、声を出すツボです。

 大切な部分ですので、ガシガシ強くやらないで、優しく優しく
 解きほぐすように、マッサージをします。


◆ノドやその他の病気

ノドの詰まりを訴えた人に、病院に行くことをすすめたところ、
声帯や甲状腺にポリープができていた人が数名いました。

声が出しにくいと感じられたら、まず耳鼻咽喉科の音声外来や、
内科を受診してみてください。

何も異常がなければ、発声のトレーニングや身体をゆるめること
で解消されるでしょうし、もしも異常がみつかれば、早めに治療
することができます。

また声帯は、性ホルモンの影響を強く受けています。

思春期や更年期などでホルモンの状態が激変するとき、声が出に
くくなる人もいます。

●変だなと感じたら、気軽に受診してみましょう。
 
 無理を重ねることが、一番いけません。
 
 無理矢理声を出し続けていたために、声帯が変形したり、タコ
 ができて、声が変わってしまう人もいます。


◆精神的なブロック

「うるさい!黙ってろ!!」

子供の頃に、父親に怒鳴られて突然殴られた女性は、恐怖のあま
り、それ以来、ほとんど声が出せなくなっていました。

「誰も私の話を聞いてくれない」「私の声は人の迷惑になる」
「私の意見なんて、どうせつまらない」「声を出すと嫌われる」

こんな風に思い込んでいる人たちも、声が出しにくく、ノドの詰
まりを感じています。

この人たちに共通なのは、

「自分の感情を素直に表現すると、大変なことになる。
 傷つけられる」

という思い込み。

幼い頃から続いたこの思いは、呼吸を浅くし、身体を緊張させ、
首や肩をカチカチに固めてしまうのです。

●ゆっくりと、ご自分のブロックの原因をみつめ、苦しみや恐怖
 を信頼できる人に打ち明けたり、自分の感情を人に伝えるとい
 うレッスンを続けます。

 その上で、力まずに声を出すことに慣れていきましょう。

●声を出すことが怖くなくなれば、ご自分のブロックも不思議と
 解消されることが多いものです。

 自分を素直に表現することは、少しも悪いことではありません。
 
 あなたのブロックは、幼い頃にはあなたを守るために必要だっ
 たものです。

 でも今は、もう必要のないもののはず。
勇気をもって、ブロックを取り外しましょう。

まずは、ゆっくりとストレッチをして、身体をゆるめることから
はじめてみてください。

あなたのノドが、心地よく解放されますように。


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