やっぱり泣いた。
昨日の公演は、「名倉加代子舞踊生活50周年記念公演」だったそうだ。
50周年って…
私が子供のころに憧れた、そのままの姿で舞台に立っている名倉先生を観て、仰天した。
ふつう、70代のダンサーって、何かしら痛々しさを感じたりするものだけど、それが、ない。
しかも、素晴らしいダンスを見せて下さっているのだけど、かなりハードなことをしているのだけれど、まるで踊っていないように感じられる。
体重がないのか、この人は!と思うくらいに、軽くて、そのまま空を飛んでも、「そうね、そういう振付だもんね」と感じるくらいに当たり前に思えてしまう軽さなのだ。
存在そのものが、ダンスなんだぁ・・・と感じられた。
驚いたなぁ。
もちろん、還暦のレイ子先生も同じ。美しい。
200名近い人が出演していて、中にはどう見ても「私よりも年上でしょ」、と思える人も何人かいるけれど、まぁ、動く動く、走る走る。
50代超えて、こんなにハードに踊れるというのは、相当の訓練が必要。
うわぁ、あんなに手を回しているよ!五十肩のワシには、むりじゃ!と思っているようではいけない。
でも、昨日もっとも泣かされたのは、隣に座っていた老夫婦。
娘さんが公演に出ているらしく、「この曲では、後ろから何列目の右から3番目で踊っている」と書き記されている紙を大事そうに持って、身を乗り出してご覧になっている。
最初の曲が終わった時、「あぁ~!、うまい、うまい・・・」とつぶやくように口にして、一生懸命手を叩き続けていたお父さん。
たぶん、70代後半だろうけれど、もう、その声を聴いた途端、私の涙腺は崩壊し、号泣。
「娘さんのご活躍、なによりですね~!良かった、良かった」
と声をかけたかったけど、もう号泣してしまったので言い出せず(言ったとしたら、相当変な女だが)。
休憩時間にも、奥さんとふたりで、「そうだね、あの子が中学生の時だったかねぇ」などと思い出話が続き、またステージが始まると、全身全霊で、娘さんのダンスを応援している。
良いなぁと思い、何度も泣く。
しかし、ダンスよりも、そっちのポイントで自分が号泣し続けるとは・・・
やっぱり、表現することは良い。
する方も、受け取る方も、幸せになれるもの。ねぇ。