御岳山。
木曽のおんたけさんとは違う。
青梅のみたけさん。
本当は富士山登山の予定だったが、春先に私が五十肩を患ってしまい、近場で気楽にということで御岳山登山と相成った。
私と夫と娘と、友人のライター江藤玲
とその娘の5人連れ。
江藤玲と私は、20年近く前からの友人でもあり、互いに一歳違いの娘を持つママ友でもある。
で、さらに気軽に、ケーブルカーで登山。
こうなると、登山とは言えない。
楽ちんで嬉しい。
しかし、前日まで、ずっと晴れて真夏日が続いていたのに、こういう日に限って、雨&風。
しかも、御岳山頂は、18℃で肌寒い。
日頃の行いが悪かったかなと一瞬反省しかけたが、神社参拝は不思議といつも雨の日が多かったのを思い出した。
雨が多いが、参拝中は必ず晴れる。
鳥居をくぐるまで土砂降りで、くぐった途端にいきなり雨が止み、参拝中はスッキリ晴れて、鳥居を出たらまた土砂降りということもあった。
なので、今回もきっと大丈夫。根拠はないけど。
ケーブルカーを降りると、立派なやまゆりがお出迎え。
やまゆりって、美しいけれど、妖しいなぁ。
唐突に大きくて、すごく意思を持っている感じが相当妖しい。
きっと美人に化けて、夜な夜な、若い旅人を襲って、血を吸っているに違いない。
やまゆりを横目に、急こう配の山道をヒィヒィ言いながら登った。
一瞬、登山チックだ。
で、着いたのが御岳山山頂にある、武蔵御嶽神社。
案の定、晴れた。
霧が出ていて、かなり雰囲気がある。
さすが、霊山。
山岳信仰の場だ。
それにしても、日頃の運動不足が祟った。
足が、すでにがくがく。
ちょっと坂道登っただけなのに!
富士山登山なんて、いずれにしても無理だったな。
小学校4年の娘も、疲れた疲れたと大騒ぎ。
やっぱり富士山は、当分延期にした方が無難だ。遭難する。
さて、本日のお宿。
宿坊、山楽荘
。
ご主人が神主さん。
御岳の宿坊は、お寺ではなく神社なので、神主さんが営んでいる。
山楽荘の入り口。霊界への入り口みたいだ。
実際、かなり異界の雰囲気が漂う宿だった。
画家川合玉堂氏の定宿だったそうだが、圧倒的な数の美術&骨董品が置いてある。ちょっと怖い。
現在のご主人で18代。
30代とおぼしき若旦那が、19代。
小学校3年生の坊やが20代目の当主を継ぐことが決まっているのだそうだ。
「築何年の建物ですか?」と江藤玲が問うと「うちは、まだまだ新しいんですよ~。百年ぐらいしかたってないから」とのこと。
その他の宿は、築300年くらいのが、ざらにあるとのこと。すごい・・・
そうそう、宿坊といえば精進料理だが、ここは、鹿肉の燻製や、イノシシ鍋なども出るし、自家菜園で作った有機野菜での食事を提供してくれる。
珍しくて美味しい。
まったくの下戸なくせに、猿酒という、不老長寿の不思議な食前酒もいただいた。
そのせいか、異常に元気。
薬草風呂にも入り、夜はとことんしゃべりもし、あまりに興奮して2~3時間しか眠れず、その割に早朝に起きて、神主さんの朝拝の儀(ちょうはいのぎ)に参加するという修行モードに入ってしまった。
神主さん曰く、「呼吸と声が第一義です。腹式呼吸をして、声を発していればほとんどのことが良くなって行きます。ぜひ皆さんも呼吸を深め、声を出して日々を過ごして下さい」とのこと。
どこかで聞いたことがある話だ。
私のメルマガ、「呼吸の奇跡☆声の魔法
」もぜひどうぞ、とおすすめしたい気分だった。
さらに、神主さん「観音様は、目で音を聴いて、耳で音を観ていました。あなた方もそうしてください」とも。
それも前日、大人3人でまったく同じ話をしていた。
江藤玲が、観音巡りの本
を出したばかりだったからだ。
夫と江藤玲と顔を見合わせる。つながってる。
あぁ、ありがたいなぁ。
あなた達がやっていることは、けっして間違ってはいないんだよと、神様からお墨付きをいただいた気持ちになった。
そして、ありがたくお札と神主さん自作の色紙を頂いた。
これは、夫がいただいたもの↑
夫は、達磨大師に喝を入れられた気分だったようだ。
私がいただいたのは、吉祥天が描かれた「無事」という色紙。
「大丈夫よ。いつも神仏に守られているから」と書かれていた。
そうか、大丈夫なんだな。
心配しなくても。
このところ、大丈夫、大丈夫と自分に言い聞かせていたようなところもあるので、見透かされている気がしたが、本当に大丈夫なんだと思えて嬉しかった。
観音様と達磨大師と吉祥天か・・・
神道って、このおおらかさが良い。
そして、下山して東京都の水がめ奥多摩湖へ。
すっかり晴れて、浮橋も渡って、ご機嫌。
伝えたいこと、私が出来ることを地道に続けて行こう。
自分を信じて生きて行こうと、素直に思えた。
気持ち良い旅。
何だか、とっても嬉しいひと時だった。