全国の高校生を対象にした、「森の聞き書き甲子園
」というイベントがあるらしい。




これは、高校生が森の賢人・達人と呼ばれる老人の元を訪ねて、彼らの技術や人生を取材し、「聞き書き」を体験し文章を綴り、後日、それが冊子にまとめられるというイベント。




毎年100人の高校生が、100人の森の賢者の元に派遣される。


過去7年間で、700人の高校生が参加したことになるのだけれど、誰一人脱落者が出ていない。




合宿までして、「聞き書き」を学ぶのだが、全員が取材を敢行し、締め切りまでに、ちゃんと原稿を提出しているというのだ。




それだけ、森の賢人に出会うというのは、鮮烈な体験なのだろうなと思う。




で、そのうちの4人の高校生にスポットライトを当てた、ドキュメンタリー映画が制作された。




題して「森聞き
」。




私は、試写会に参加してきたのだが、ここに登場する、宮崎県椎葉村の焼畑名人のおばあちゃんや、北海道の84歳の木こりのおじいちゃんの何とも味わい深いこと。




「山さ入るとなぁ、この空間がたくさんのことを教えてくれるんだぁ」




ポツポツと語られる古老の言葉、圧倒的な大自然、そんなとてつもないものを前にして、まったく太刀打ちできない、10代の子ども達。




戸惑いや、混乱、頭でっかちな感じや、上滑りな言葉や表情が、映像にしっかりおさめられていて、それが、また切なくて可愛い。




そうだな、若いうちは、この圧倒的なもの、どう頑張っても太刀打ちできないものの前で、呆然と立ちすくむという経験は必要なんだろうな。




それが、少しずつ魂の「器」を形作ってくれるような気がするから。




「森聞き」は、この秋から東中野のポレポレという映画館で上映予定。




「森の聞き書き甲子園」は、7月1日が締め切りで、全国の高校生を募集中。




私も、高校生だったら応募する。