看護師のMさんから、鳥取にある「野の花診療所」の存在を教わり
ました。Mさん、ありがとうございました。
鳥取市の下町にある野の花診療所は、末期の患者さんを看取るた
めのホスピスケアの診療所です。
◆死と生は・・・
『老いた人と若い人の死、違わない。
信仰に支えられ死を受け入れた人と、「くやしい」と叫びながら
世を去る人、違わない。
温かい家族に取り囲まれて亡くなる人と、人一人いない病室で亡
くなる人、違わない。
生きること、死ぬこと、うーん、違わない。
小さなことは沢山違うが、一番大切なことは、違わない。
みな同じ』
と、院長の徳永進さんは、「詩と死をむすぶもの」という、谷川俊
太郎さんとの往復書簡の中で書いています。
徳永さんの文章を読んでいると、「人はみんな生きて死ぬんだなぁ」
という当たり前のことが、あらためて胸に迫ってきます。
◆声のない会話
ホームページに掲載されている徳永院長のエッセイは、オススメで
す。http://homepage3.nifty.com/nonohana/
そのエッセイの中に、がんの手術で、気管や声帯を失った60歳の
患者さんとのやりとりが描かれています。
『いつもの穏やかな顔。手を取った。転移のこと、まひのこと、痛
みのことを説明した。そして「死は遠くじゃないので」と言った。
高木さん、うなずきながら苦笑いになった。
次の瞬間、ぼくを見て唇だけで「か・わ・い」としゃべった。唇
が重く、はっきりと聞き取れない。せきが、大きく開いた気管切
開部から漏れる。もう一度、唇をゆっくり動かした。
「こ・わ・い」。
二人の間の空気が揺れた。
「怖い」だった。生まれたてのなまの言葉に返す言葉を失い、ぼ
くは手を握り直した。
涙を浮かべて奥さんが、「大丈夫」と両手を取った』
◆大切なのは
『詰め所に戻った。なぜかアメリカの精神科医、サリバンの残した
文章が思い浮かんだ。心を病む人に向き合う医療者にあてた伝言。
「not verbal、but vocal」
(大切なのは言葉の内容ではなく、話す声、音質)。
一方、逆の立場だが、高木さんは声を出せない。
声以前の、体と心で放つ微細な振動(vibration)で三音を放った。
大切なのは、「not vocal、 but vibration」と知る』
コミュニケーションは、言葉や音声だけでなく「振動」。
受け取り、発することのできる「振動」。
私の新刊「右耳コミュニケーション」にも書きましたが、この振動の
やりとり、循環こそが「愛」なのだと、この頃は強く思うようになり
ました。
◆感じるということ
『 高木さんが亡くなって十日たった日曜の午前、稲穂豊かな高木さ
んの村へ行った。野菜などを安く売っている「百円市場」の婦人
に家を尋ねた。簡素な家。玄関すぐの三畳の間に、いい顔の高木
さんの遺影。奥さんもいい顔だった。
波動を共に持つ二人に一礼した』
私たちは命の営みの中で、他者と波動を共にして響き合うことがで
きます。
伝えたい気持ちは、振動し、空気を揺らし、相手の心と身体に共鳴
し届きます。
聴こえるもの、見えるものの向こうに、感じる振動がある。
それを信じて、今を精一杯生きて行きたい。
私は、そう思っています。
●野の花診療所
http://homepage3.nifty.com/nonohana/
●詩と死をむすぶもの(朝日新書)
http://tinyurl.com/yljv6ud
あなたの毎日が、歓びと美しい響きに満ちて
幸せでありますように~☆
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セミナーのお知らせ
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~あなた本来の「声」と「才能」に出会う~
ピュアボイス&ストレングス・ファインダー!
あなたには、生まれながらに持っている強み(才能)があります。
その強みに、気づいていますか?
あなたの声の振動は、あなたの中に美しく存在しています。
その音に、気づいていますか?
あなた本来の、強みと声に出会う、4時間。
新しい季節を前に、あなた自身に出会い、自由にはばたくための
パワーを、一緒に育てましょう!!
◆小屋一雄(ストレングス・コンサルタント)
◆濱田真実(歌手・ボイスコミュニケーショントレーナー)
◆日時 : 2月27日(土)13:00~17:00
◆場所 : 渋谷・スプリングノート
http://www.spring-note.com/about/map.html
◆定員20名様
◆料金:12000円
※メルマガ読者の方は、割引料金・10000円でご参加頂けます。
他では手に入らないプレゼントも付いていて、お得です!
お申し込みをお待ちしています。
詳細は、こちらです↓
http://koetokokyu.com/workshop.htm
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うろほろ日記ミニ
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「右耳コミュニケーション」のご紹介をしていただきました。
「できる人になる3分間マネジメント」の著者、萩原一平さん。
私の悪友です。
http://hagiwara.dreambox.sunnyday.jp/?eid=1348610
こうしてご紹介していただけることが、本当に嬉しいです。
ありがとうございました。
ところで、私、以前から夢がありまして、いつかキレイな中庭の
ある、デイケアセンターを作りたいと思っています。
生きる力を養い、取り戻すための美しい施設です。
センターでは、トラウマケアとボイストレーニング・アートセラ
ラピー・ボディワークなどを中心にプログラムを展開する予定で
す。
できれば、老人ホームと、乳児院と児童養護施設と、ライブホー
ル付きのデイケアセンターが中庭を囲むように建てられると最高。
ちょっとした町、ですね。
老人ホームの入居者の方にも、それぞれお仕事を持っていただい
て、さらに、レストランでは自然食の美味しい食事もできて・・・
なんて、妄想しているだけでワクワクしてきます。
で、今年から、具体的に設計図を書くことと、準備のための勉強
を始めることにしました。
思いきりアホになって、今を生きようと思っています。