「自分の鎖骨(肩の付近の骨)と、肋骨の間を触ってみて。
 今、手が触れている部分に、息が届くように意識をして、
 呼吸をしてみようか。
 
 そう、肋骨の上側を開くような感じでね」


私がそう誘導すると、生徒さんの多くは、こう答えます。


「自分の肋骨なんて、触るの初めてです~」


たぶん、普段は無意識に触れているのでしょうね。


「これが肋骨。ここに鎖骨。筋肉が、この下にあって、この奥
 には、肺があるのね・・・」


なんて意識して触るなんて、しませんものね。


でも、自分の身体を意識すればするほど、身体からのメッセー
ジが受け取りやすくなりますよ。


自分本来の呼吸や声を取り戻すためには、身体感覚、身体感性
を取り戻していくことも、とても大切なことなのです。


◆肩甲骨(けんこうこつ)は翼のなごり


これは、ディヴィッド・アーモンドの書いた、児童文学のタイ
トルなのですが、私が好きな言葉でもあります。


時々、生徒さんの肩甲骨(背中にある腕を動かす大きな骨)に
触れながら、「ここは、あなたの翼のなごりね!」と言うと、
生徒さんの表情が、ふとやわらぎます。(*^_^*)


そこで、この見えない翼を意識しながら、肩甲骨を動かすよう
にして、手を上げたり下げたりしてもらいます。


手を上げるときは、息を吸い、下げるときは息を吐きます。


すると、肩甲骨の周りの筋肉が、じわじわと動いているのが感
じられ、しばらくすると、筋肉がゆるみはじめます。


実は、肩こりに悩む多くの人は、肩の周りの関節や筋肉を、ほ
とんど動かさずに生活しているのです。


「私、意識して肩甲骨を動かすなんて、はじめてだわ」

生徒さんは、しみじみとつぶやきました。


◆身体の地図をつくる


アレクサンダーテクニークというボディワークの概念の中に、
「ボディマッピング(体の地図作り)」というのがあります。


身体のどこに何があって、どんな働きをしているかということ
が正しくわかる、つまり地図を見ているように、イメージがで
きると、身体が機能的に動き、自由になれるというものです。


身体の地図をイメージすることなく、ただ闇雲にトレーニング
を重ねていても、身体を壊すのがオチです。


深い呼吸のためには、身体のどこをどう使うと、無理がなくて
効率よく呼吸ができるのか。


響きのいい声を出すためには、身体をどう使うといいのか。

これがわかると、飛躍的にパフォーマンス能力が向上します。


◆ボイストレーニングのマミィズボイススタイル

◆歌手・濱田真実公式サイト