エヴェリン・グレニーという、世界的なパーカッショニストをご
存知でしょうか。
彼女はスコットランド出身で、2度のグラミー賞に輝いています。
世界が注目している音楽家である彼女。
実は8歳の時の病気が原因で、12歳のときに聴力を全て失って
いるのだそうです。
彼女は、聴くことが全てだと語り、聴き方を伝えるために演奏や
講演をして世界をまわっています。
彼女は、身体の全て、自分という存在の全てを使って音をキャッ
します。
その中でも特に活用するのが、目で見た記憶と、骨。
そう、骨で音を捉えているのです。
低い音は身体の下の部分の骨で、高い音は、鎖骨や頬骨、頭蓋骨
などを使います。
その振動する部位の変化で、音程までキャッチできるため、他の
ミュージシャンたちとも、素晴らしいセッションが行えるのです。
◆世界のかけら
彼女は、子供の頃から壁に手を触れたり、楽器に触れたりしなが
ら振動をキャッチするトレーニングをつんだそうです。
そして、新しい音の世界を自らの中に構築し、外に向っても音の
振動を発し続ける人になりました。
私たちが、彼女から学べることは無限にあります。
聴きたくない、感じたくないと閉ざしてしまうと、世界のほんの
少しの断片しか触れることができません。
私自身を振り返ってみても、随分、もったいないことをし続けて
きたんだなと残念に思うことはたくさんあります。
◆全てを受け入れる
世界のすべてを感じ取るなんて大きなことは言えないけれど、自
分で、自分の感覚を制限することだけはやめようと思っています。
どんなに目を伏せても、耳を閉ざしていても、世界は広く、色に
溢れ、音に満ちています。
私たちは、それをキャッチする心と身体を持っています。
たとえ心がズタズタに傷付いていても、道を見失い孤独にあえい
ていても、全てを受け入れる心と身体さえあれば・・・
人は、必ず救われます。
あなた以外の存在と、あなたが確かにつながっていることに気づ
けるからです。
◆シンプルなこと
私はこの頃、もう一度身体を見直す時期に来ているようです。
自分自身をケアすることができないと、人をケアすることができ
ないことにも気づきました。
少し立ち止まって、ゆっくりあたりを見回してみます。
足元も、見つめます。
そこから立ち上ってくる感覚をいつくしみ、食べること、動くこ
と、休むこと、家族を抱きしめること、笑うことを味わってみま
す。
あなたがどんな状況にいても、シンプルにありのままのあなたで、
堂々と世界に存在していてください。
豊かな世界をキャッチすることができれば、豊かな世界を表現す
ることが誰にでも等しくできるのだと、私は信じているのです。
●エヴェリン・グレニーさんの講演の動画です。
ぜひ!
http://tinyurl.com/ygozuyu
◆ボイストレーニングのマミィズボイススタイル