声にコンプレックスを持っていたり、自分の声が嫌いという人は、
声を聞かないようにしています。


直面するのが、つらいからです。


ある生徒さんは、朗読のレッスンで、口の開き方をアドバイスする
私に、こう言いました。


「いちいちチェックしないで下さい。

私は、自分と向き合うなんてして来ていませんから。

後悔はするけど、反省はしない人生なんです!」


私は面食らいましたが、彼女はとても怯えているように見えました。


彼女にはまだ、自分の声と向かい合うという準備が、出来ていなか
ったのかもしれません。


自分の声を聞くことが、耐え難いことだったのだと思います。


その一方、こんな人たちもいます。


先日、一年以上レッスンを続けている人たち7~8人に、初めて録音
した自分の声を聞いていただきました。


その中の、6人が「以前は、あんなに嫌だと思っていた声だったのに、
すごく聞きやすいような気がします。これならOKだと思えます」
と言ったのです。


しかも、「文章の後半になると、かなり息継ぎが怪しくなるし、読
み間違ったところで、声に動揺が見られます。ここを改善していく
と、もっと良くなるような気がする」


という自己分析までできる人が、何人もいたのです。


先に登場した彼女と、「これならOK!」の人たちとの違い。

それは、「自分を受け入れる」ということです。


声を受け入れることができると、日常の何気ない会話、電話の声、

会議での自分の発言などすべてに、あなたの耳が開きはじめます。


まさに、はっきりと声が聞こえてくるようになるのです。


自分の声を受け入れ、心を開くように、「耳を開いて」ほしいので
す。


それができると、確実に声が変わります。


(2005年10月27日発行号より)




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