声がかすれる、なぜか出にくい、ところどころで音声がとぎれる、
などという、声の悩みを持っていらっしゃる方がいます。
一時的なものではなく、何年もその症状が続いているのです。
声を出そうとしているのに、出ない。出せない・・・。
「どうしたの、風邪をひいたの?」と頻繁に聞かれたり、「大きな
声でしゃべれ!」と怒鳴られたり、「いつも不摂生な人」と誤解を
受けることすらあるそうです。
声が、コミュニケーションの重要な位置をしめている以上、こんな
症状に陥った人の苦しみは、計り知れません。
自分の声が嫌で、人によっては筆談に頼る人もいるそうです。
これが単純に、声の出し方を見失っているだけなら、ちょっとし
たレッスンとコツで解決する場合もあります。
ところが、それだけでは声が戻ってこない場合があるのです。
◆音声外来
最近、耳鼻咽喉科などで「音声外来」の看板を掲げている医院
が多くなりました。
音声外来とは、声のお医者さん。
歌い手が、本番前に「こ、声が出ない・・・」などという大ピ~ン
チ!の時に駆け込む病院でもあります。
少しでも、声が出にくいなと感じているのなら、早急に音声外来
を受診してくださいね。
もしかしたら、ポリープが出来ていたり、声帯の機能に異常が見
つかるかもしれません。
一度受診して、なにも異常がなければ、安心して声のレッスンに
励むことも出来ますものね。
でも、もし病名がついてしまったら・・・。
◆痙攣性発声障害(けいれんせいはっせいしょうがい)
耳慣れない病名ですね。
主な症状としては、声が途切れる、かすれる、ふるえる、出にくい、
息がもれて声にならないなどです。
患者さんご本人も、この病名にたどり着くまでに、随分あちこちの
病院をまわったという方が少なくありません。
原因が特定しにくい病気ですし、検査や所見で異常が出ない場合
が、多いからです。
ホルモンバランスの影響、神経系統の異常、心因性などさまざまな
発症理由があげられていますが、原因を特定するのは難しいようで
す。
◆声帯の動き
声帯はノドにある、2枚のヒダが合わさり、ふるえることで声を出
しています。
その重なりが内側に重なりすぎても、外に開きすぎても声は出せな
くなります。
内側に重なりすぎた場合は、痙攣性発声障害・内転型。
開き過ぎた場合は、痙攣性発声障害・外転型といいます。
内転型の場合、注射や手術といった治療法がとられますし、完治
も早いようです。
しかし、外転型は非常に珍しいタイプで、今のところ完治するのは
難しいと言われています。
ただ、この病気は治らない病気ではありません。
外転型の患者さんでも、完治した方はいます。
声帯は筋肉です。
その筋肉の使い方を訓練すれば、必ず声は出るようになります。
◆あきらめない
これは、痙攣性発声障害の方だけでなく、声に対してコンプレック
スを持っている方すべてに必要なことです。
あきらめない!必ず声は出ると信じること。
地道なトレーニングが、確実に声を育ててくれます。
まず必要なことは、首や肩の筋肉の緊張をとり、身体をほぐし、呼
吸を深くするです。
そして、腹式呼吸です。
腹式呼吸は、声帯に負担をかけないので、これはマスターしましょ
うね。
そして、完治をした方は、朗読や歌など、声を出して読んだり表現
したりする時間を、多く持ったそうです。
声が出ないから嫌だとか、無理だなどと言わないで、徹底的にご
自分の声と向かい合ったそうです。
◆逃げないで
声にコンプレックスを持っている方の多くは、出来るだけ、自分の
声を聞かないようにしている人が多いのです。
でも、声はあなたと生涯を共にするパートナーです。
しっかりと向かい合えば、声から得られる恩恵を、いくらでも受け
取ることが出来ます。
希望をなくさず、より幸せな明日をひらいていってくださいね。
声が変われば、あなたの世界が変わります。
(2005年8月31日発行号より)
◆心と身体をつなぐマミィズボイススタイル のボイストレーニング