肺と心臓グループの下にある、身体を横に隔てる膜(横隔膜)はドーム
の屋根の様な形になっています。
その下には、消化器系の内臓が収まっていますね。
胸の肋骨が広がり、背中が伸び、横隔膜のドームが平らに近付き、下に
下がると、肺が拡がり、息は自然に入って来ます。
これが息を吸っている状態です。
腹式呼吸の場合、この横隔膜の運動を腹筋や背筋を使ってサポートする
ことが必要になります。
何故、腹筋や背筋を使うのかと言うと、横隔膜はこれらの筋肉と繋がっ
ているからです。
筋肉をしなやかに効果的に使うことによって、横隔膜の上げ下げをコン
トロール出来るようになり、呼吸をより深くすることが可能になるのです。
これが、ボイストレーニングで言われている「お腹を使う」ということです。
ただお腹だけを意識して前に突き出してみたり、力を入れて固めても、
意味がありません。
背中から腰の身体の後ろ側、背中からお腹に向けての両脇、そしてお腹
がバランス良く動いていることが必要です。
鼻からゆっくり息を吸った時、臍下丹田(おへそから指4本分下の位置)
あたりに、息を入れるようにイメージしてみましょう。
すると下腹のあたりが膨らんで来ますよね。
その時、ウエストの両脇も、背中の骨盤の上のあたりも微妙に外に向か
って広がっているはずです。
息を吸うと、骨盤まわり全体が膨らみ、吐く時には、それらがゆっくり
と狭まって来ます。
呼吸は、肺だけでもお腹だけでも出来ません。
背中も腰も足も…。
そうです。身体の全体を使ってするのです。
私は、背中や腰(骨盤の上あたり)を拡げるように意識するようになっ
てから、呼吸が上手く行くようになりました。
背中と腰に息を入れるような感覚です。
しばらく、ご自分の身体でこの感覚を感じてみましょう。
これを続けると呼吸が深くなることはもちろん、腸の動き、自律神経、
ホルモンバランスなども安定して来るはずです。
楽しみですね!!
2004年8月17日発行号
◆ピュアボイストレーニングのマミィズボイススタイル