20代の若者Aに誘われて、イマーシブ・フォート東京へ行って参りました。

こちらの施設、「マーケティングの神様」と呼ばれた森岡毅氏の手によるもの。

けれど開業からわずか2年で閉業が決まり、2月末で終了。

累積赤字は62億円なのだそうです。

 

なるほど。

謎を解きたい。

赤字の謎を。いや、違う。

こちらは体験型の演劇なのだそうで、施設のあちこちで事件が起きるらしいのです。

私たちが参加するのは「ザ・シャーロック」

おなじみ、名探偵シャーロックホームズが登場するストーリーです。

Aは二度目の参加。

事前の説明だけでは、どういうものか、私にはさっぱりわかりません。

振舞い方不明のシニアにとって、経験ある若者のサポートは心強いものです。

いざ!

 

入場後、いきなりドドン↓

一気に不安になりました。

 

 

何だこれは。

 

そしてスタッフから渡されたのは、黒いバンダナ。

このバンダナを、顔の下半分に装着するルールだそうです。

これ、そうだ、あれだ。

西部劇に出て来る盗賊のスタイル。

コロナ禍以降「口元に布」にも慣れましたが、盗賊スタイルは初めて。

なかなか気恥しいです。

 

その盗賊が、100人近く会場にうごめいているわけですよ。

しかも私語禁止のルールなので、全員大人しい。

静かな盗賊の大集団。

もう、可笑しい。

自分もそのうちのひとりなのに、このシチュエーションが可笑しくてたまりません。

 

いよいよ入場です。

会場に入ると、そこはイギリスのベーカー街のセット。

1階フロアと二階にセットが組まれていて、演者が登場し物語が始まります。

 

誰かの悲鳴が聞こえ、ホームズやワトソン君が登場し芝居をしながら一階と二階を移動。

その後を、無言の盗賊集団がゾロゾロついて行きます。シュール。

私もニヤニヤ笑いで、後を追います。

 

観客の移動は自由なので、移動の仕方で、どのシーンを目撃するか異なってくるというシステムなんですね。

さらに演者から「あの飲み物にこの薬を入れて」と毒殺の片棒を担がされたり、「この荷物を運んで」などこき使われたりもします。

 

私はあっという間にAを見失い、ベーカー街をひとりぼっちで放浪。

残酷な殺人現場の現場検証に居合わせ、ご遺体(もちろん人形)や、血しぶきをじっくり観察できました。

 

そんなことをしているうちに、裁判が始まりました。

私が知らない間に、被害者が5人!

これは連続殺人事件だったのかと驚くと同時に、私をサポートしてくれるはずのAが、いつの間にか陪審員席に座っており、修羅場が繰り広げられている中で、おどおどと罪状の木札を出したりしていました(実はこれが一番面白かった)。

 

約二時間半で終演。

思った以上に階段を昇り降りして、かなり歩き回りました。

 

それにしても盗賊集団、いえいえ観客がビックリするほどお行儀が良いんですよね。

芝居が始まると、前方の人はさっと座りますし喋らないし、演者に触れない。携帯もならさない。

テーマパーク慣れしているというのか、アトラクションに慣れているんですよね。

そうか。これは演劇、というよりアトラクションなんですね。

演者も、アトラクションのキャストという立ち位置なのだろうなと思いました。

 

施設が大きすぎて採算が取れないなど、さまざまな事情があるのでしょうが、維持し発展させるのは本当に難しいのでしょうね。

 

とりあえず、二月末で施設は終わります。

「ザ・シャーロック」以外の演目はチケット完売らしいので、タイミングの良い方は、遊んでみてください。

60代以上でも、大丈夫でした。