野鹿の啼(な)く夜(よ)に | 深層意識の力を利用し、夢を実現する

野鹿の啼(な)く夜(よ)に

 

いらっしゃいませ、マスターの浜田です。

 

人生のある瞬間ふと、「あれ?そういえばなぜ今、

自分はこんなところでこんなことをしているんだろう?」って

気がついて不思議な気持ちになったことってありませんか。

 
 
わたしがはじめて山に籠って瞑想修行したとき、
わたしもふとそんなことを思いました。
 
そうしてどんないきさつで、
今ここにいるかに気づいたら、
人生の不思議さに気がつきはじめました。

 

そのときの体験談をメルマガからの転載でお送りします。

 

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   これまでのあらすじ


男はバーのカウンターで不思議な紳士と出会ったことがきっかけで、
本当の自分へと還る目覚めの旅がはじまりました。


座禅修行で人生の師となる老師と出会い、
男は自己の内面に深い神聖な静寂を見つけます。


そして座禅修行で素晴らしい体験をした男は、
今度は10日間山に籠っての瞑想行に参加します。


10日間も山に籠って非日常って面白そう!


そんなふうに思っていた男でしたが、
瞑想をはじめた男は、
自分のそんな考えが甘かったことを思い知ります。


足や腰は痛み、肩は凝り、考え事は際限なく頭の中を占領し続け、
身体のにぶい痛だるさと、とどまることを知らない雑念の嵐に
男は心底イライラし、すべて投げ出したい気持ちでした。


が、それがある日フッと静かになりました。


男はようやく落ち着きと安らぎを得たのでした。


そんなある夜のこと....。

 

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      野鹿の啼(な)く夜(よ)に
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キュウ...キュウ....

 

奇妙な獣らしき生き物の鳴き声に
男は閉じていた目を開いた。

 

瞑想によって研ぎ澄まされた男の意識は、
眠気を寄せ付けなくなっていた。

 

意識が冴えすぎて眠れなくなっていた。

 

そんなとき獣らしき生き物の声が聴こえてきたのだ。

 

男はふと、視線を窓に向けた。

 

窓の外を見ると月光が山々を蒼く照らし、
浮かび上がらせていた。

 

それは不思議な光景だった。

 


蒼く照らされた山々は、
まるで夜の海の、静かな高波を思わせた。

 


ここは山なのか....それとも海なのだろうか。

 


それはちょっと不思議な感覚だった。

 


「わたしは本当は何処にいるのだろうか?」

 


男は一人小さく、そう呟いていた。

 


キュウ!.....キュウ!.....。

 


またあの奇妙な獣の声が聴こえてきた。

 


後で知ることになったのだが、それは野生の鹿の声だった。

 


人里離れた山奥で、人気もほとんどない。

 


一緒に修行する瞑想者たちも、今はしんと寝静まっている。

 


遠くで聴こえる小川のせせらぐ微かな音。

 


修行者たちの寝息。

 


それら以外はしんとして、夜の森は静まり返っていた。

 


だが生き物の気配はする。

 


男は静かな森の中に、
数えきれない生き物たちの息吹を感じていたのだろう。

 


静けさの中、ただただ静かな静けさの中、
男は音にならぬ音を感じ取っていた。

 


キュウ!....キュウ!!

 


再び野鹿の声が聴こえてきた。

 


野鹿の声は静寂の中、小さな鐘を打つように
夜の山々にこだました。

 


男は山々を蒼く照らす、月を見上げた。

 


わたしはなぜ、今ここにいるのだろう?

 

わたしは今、なぜここでこんなことをしているのだろう?

 


わたしはあの夜....あのバーで不思議な体験をした。

 

あの不思議な初老の紳士に出会い、
奇妙なことに今、山に籠って瞑想の行をしている。

 

なんでこんなことになっているのだろう?

 

人生っていったいなんなのだろうか?

 


数年前の、いやほんの半年前の自分にも、
今自分がこんな場所でこんなことをしているとは、
見当もつかなかった。

 


今なぜわたしはここにいるのだろう?

 


なぜ今、ここでこんなことをしているのだろう?

 


あの紳士と出会ってから、自分は悟りたいと思った。

 


悟りたいという好奇心と欲求が芽生えた。

 


あの不思議な紳士と出会ってから。

 


あの紳士と出会って、
そしてあの後バーのマスターと話すことになって、
自分は禅というものに興味を覚えた。

 


それも何故か不思議に、強烈に興味を覚えた。

 


あれは好奇心だった。

 


そして好奇心は自分を動かした。

 

好奇心は禅について調べさせ、
禅について調べるうち「悟り」という言葉に辿り着いた。

 


そして「悟り」という言葉に、自分の興味は釘付けになった。

 

好奇心が心奪われた。

 

それから好奇心は「悟り」について
自分を動かし、本からネットから片っ端に調べさせた。

 

 

ときに寝食の時間さえ忘れて。

 


なにが自分をあれほどに突き動かしたのだろう?

 


好奇心だ!

 


あれは好奇心だ!

 


ではなぜ?

 


好奇心はなぜ「悟り」という言葉と
言葉が指し示す世界に、それほどまでに心奪われたのだろう?

 


なぜ自分は「禅」という言葉に出会った時、
あれほどまでに好奇心を鷲掴みにされたのか。

 


なぜ好奇心は「禅」についてあれほどまでに
自分を突き動かし、「知りたい」と調べせたのか。

 


そしてなぜ、「悟り」という言葉に行き当たったとき、
好奇心はあれほどまでに心を奪われたのだろうか。

 


まるで.....あれはまるで、
ずっと探し求めていた恋人とやっと、やっと出会えたような気持ちだった。

 


ずっとずっと探していたものに、
やっと出会えたような気持ちだった。

 


やっと巡り合えた! ずっと探していたものに!

 


そんなふうに感じたのは何故だったんだろうか?

 


キュウ! キュウ!!

 


また静まり返った夜の山に鹿の声が響き渡った。

 


そうだ!

 


男は思った。

 


わたしは通った高校で釈迦と出会っていた。

 


自分が通った高校は仏教系の学校だった。

 


だから週に一度、仏教の授業があった。

 


そこでわたしは釈迦を知った。

 


釈迦という一人の人間が、なにに心奪われ、
なにを必死に追い求めたのか、彼の人生を知った。

 


仏教の授業なんて、
進学した先の学校のカリキュラムの一つでしかなかった。

 


まったく興味なんかなかった。

 


仏教の授業なんて、説教臭い道徳の話をされるのだと思っていた。

 


ところが授業で出てきたのは、
ひとりの釈迦という人間が、人生の目的を見つけ、
必死に追い求めたという、一人の人間の物語だった。

 


わたしはその授業が好きになった。

 


釈迦という「人間」が好きになったからだ。

 


彼が真剣に求めたのが「悟り」だった。

 


彼は「悟り」を追い求めた。

 


当時誰もが正しいと信じていた修行法を通して、
それを得ようとした。

 


何年も.....何年も。

 


真剣に  本当に真剣に。

 


そうして真剣に修行を続けた果てに、
そもそもの修行法が間違っていたことに気がついた。

 

 

実践をし、人から学んだことを実践し、

正しい修行法を見つけ出し実践し、

実践し、実践し、実践し、

その果てに、乗ってきた船では向こう岸に辿り着けないことを悟ったのだ。

 

 

わたしは彼の生き方に共感した。

 

カッコいいと思っていたのかもしれない。

 

実践して 実践して.....そして真実を実践を通して見抜く

 

見極める

 

閃き...悟る

 


自分の人生の大切な指針、価値観は、
もしやすると、いや、きっとあの高校生のときに、
釈迦の物語から受け取っていたのかもしれない。

 

 

「悟り」という言葉に魂から引き付けられたのも


「禅」という言葉にあれほど引き付けられたのも

 


高校生のとき、釈迦の人生の物語に触れていたから、
だから心惹かれたのだろうと思った。

 


では............。

 


男はふと気づいて驚いた。

 


では....なぜ自分はあの高校を選んだのだろう?

 


あの高校を薦めてくれたのは、中学の担任の先生だった。

 


男ははじめ、男の親が希望する学校を希望校として書類を提出していた。

 


男はそれが自分の希望だと思っていた。

 


だが担任の教師は進学相談の席で中学生だった男に言った。

 


「君は自由なのが似合っているから、
校則があまり厳しいところは似合わないとわたしは思う」


「こちらの学校がいいと思うのだが、どうだね?」と。

 


そうやって受験することになったのが、あの高校だった。

 


自分が悟りに興味をもったきっかけは、
中学時代の担任の先生の一言だったのだ。

 


ではなぜ、自分はあの教師の生徒になったのだろう?

 


そもそもなぜあの先生は、教師になろうと思ったのだろう?

 


わたしはなぜ、あの夜、あのバーに飲みに行ったのだろう?

 


それも一人で。

 


なにが....いったいなにが?
わたしを動かし、皆を動かしているのだろう?

 


男の脳裏に、これまで考えたこともなかった考えが、連鎖的に生まれた。

 

 

人生とは?自分とは?世界とは一体何なんだ????

 


......キュウ!....キュウ!!!

 


鹿の声が夜の山々に響き渡った。

 


明るい月が、山々を、野山を蒼く照らしていた。

 

 

 

今夜21時のメルマガにつづく

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