ロシアの子供たちを迎える北朝鮮の国際キャンプの実態
この7月下旬から、ロシアの12、3歳の子供たちが大挙して北朝鮮の東部海岸の元山(ウォンサン)市にある「松濤園(ソンドウォン)国際児童キャンプ」に参加します。
このキャンプ場は金正恩総書記の指示の下、外貨獲得の拠点にしようとされており、「北朝鮮のディズニーシー」とも呼ばれる場所です。
収容人数は1200人で、これまでも中国、ロシア、モンゴル、ベトナム、タイ、メキシコなど多くの国から小学生が招かれ、集団生活を体験してきました。
過去に参加した子供や引率者の体験記を見ると、意外なキャンプ生活の実態が浮かび上がってきます。
最も衝撃的な内容は参加者の平均年齢が12歳であるにもかかわらず、「アルコールやたばこが普通に売られており、子供たちの手に入る」というのです。
理由は不明ですが、子供たちは北朝鮮製のお酒やたばこを楽しんでいたといいます。
そして、キャンプとはいうものの、寮生活が基本で、水泳やランニングで汗を流すと同時に、金日成、金正日両氏の銅像の清掃と磨き上げが欠かせないとのこと。
また、2人の建国の父を讃える愛国歌の合唱が日課となっており、朝鮮語が分からない子供たちは口移しで歌詞を覚えさせられるそうです。
「北のミサイルがアメリカのホワイトハウスを爆破する」アニメも上映されます。
なかなか厳しい生活のようですが、最大の試練は「食事の貧しさ」とのこと。
何しろ、2週間の間、毎日、出されるものは米とパンと芋の組み合わせで、肉や魚は全く出てこないといいます。
そのため、ロシアでは「北朝鮮の国際児童キャンプへの参加は罰ゲームか」といった受け止め方もされているほどです。
とはいえ、プーチン大統領は先に24年ぶりに北朝鮮を訪問し、金正恩総書記との間で「包括的戦略パートナーシップ条約」を締結したばかり。
北朝鮮は兵器や弾薬に限らず、近く兵士もロシア経由でウクライナへ派遣するほどの同盟関係の進化が見られます。
今回のロシアの子供たちの北朝鮮への派遣も「二国間の友好親善を象徴するもの」と宣伝されていますが、子供たちにとっては余り嬉しいものではなさそうです。
その一方、ロシアは北朝鮮への団体の観光客を送り込む動きを活発化させています。
経済的に苦境に陥っている北朝鮮を支援しようとするものでしょうが、ロシア人のインフルエンサーを通じて、「秘境北朝鮮を発見する旅」を盛んに宣伝。
確かに誰もが好んでは行きたがらないような秘境的な場所ですが、お土産一つをとっても、買いたいような品物が無いというのが実態です。
そのため、現時点では北朝鮮を訪れるロシア人の観光客は限られています。
ロシアの子供たちが帰国後に「素晴らしかった」と宣伝してくれれば効果もあるかも知れませんが、そんな期待はできそうにありません。
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