ベトナムを訪問中の習近平国家主席の狙いは何か?
12月12日から中国の習近平国家主席はベトナムを公式訪問しています。
当初は、アメリカのバイデン大統領が訪問する前に、ベトナムを訪問する方向で調整が行われていたようですが、結局、3か月遅れての中国・ベトナム首脳会談がハノイで実現しました。
習近平主席にとっては6年ぶりのベトナム訪問ですが、アメリカが中国封じ込めの一環として、「アメリカ・ベトナム関係強化」を打ち出しているため、その対抗策を講じようとしているに違いありません。
とはいえ、ベトナムはアメリカとも中国とも柔軟な等距離外交(別名、バンブー・ディプロマシー)を展開する強かな方針を固めています。
ロシアとの間でも長年にわたり、友好関係を維持しており、ハノイの中心部にはロシア物産展示場が威容を誇っている有様です。
思い起こせば、ベトナムと中国は国境を接している関係もあり、これまで何度も戦火を交えてきました。
現在も、南シナ海の海洋資源を巡っては、対立し、緊張関係が解けません。
同じ共産主義国家ですが、ベトナムと中国の間には越えがたい見えない壁が立ちはだかっているのです。
その壁を取り除き、共産主義国家同士の連携を深めようというのが習近平主席の思惑と思われます。
ベトナムにとって中国は最大の貿易相手国であり、投資額においても中国はアメリカをはるかに凌駕。
そうした経済的つながりを背景に、中国は東南アジア諸国との関係強化の要(かなめ)にベトナムを位置づけようとしているわけです。
中国は「デジタル・シルクロード」構想にもベトナムを組み込もうとしています。
海底ケーブルや5Gネットワークなどの通信インフラ面での協力に加え、ハノイの地下鉄や中国とベトナムを繋ぐ高速鉄道の建設にも力を貸すと申し出たようです。
これらはかつて日本がベトナムに対して協力を提案していた案件ですが、後発の中国が日本を蹴落とす勢いで事業計画の売り込みを加速させています。
残念ながら、先月、ベトナムからは最高指導者のチョン書記長が来日しましたが、日本との間で宙ぶらりんとなっている経済協力案件を軌道に戻すような話に至りませんでした。
人口が間もなく1億人を突破し、平均年齢が28歳という若い国であるベトナムに対して、日本は政府も民間もより大きな関心を向けるべきではないでしょうか。
このところ、ベトナムから来日する留学生や技能実習生の数は中国を抜き去り、断トツのNO.1です。
ベトナム人の日本に寄せる熱い眼差しは半端ないことを知って欲しいと思います。
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