知られざる政商キッシンジャーの錬金術
アメリカの外交をけん引してきたヘンリー・キッシンジャー博士が100歳で、あの世に旅立たちました。
ドイツ生まれの同博士はナチスの迫害を逃れて家族と共にアメリカに亡命。
ハーバード大学で博士号を修得し、ケネディ政権から始まり、歴代の大統領の外交指南役として活躍しました。
小生とは一時期、ワシントンのシンクタンクで同じ釜の飯を食う関係でしたので、間近に彼の言動に接することができたものです。
独特のドイツ語なまりの英語は今でも忘れられません。
とはいえ、ソ連や中国との関係改善やベトナム戦争の終結、ノーベル平和賞の受賞など、華々しい表の顔とは別に、メディアで触れられることのない「錬金術師」という裏の顔の持ち主でもありました。
長年、政権の中枢にいたため、その情報や人脈は半端ないもの。
国務長官を退任した後も、自らの名前を冠したコンサル会社を立ち上げ、アメリカ企業に限らずヨーロッパやアジアの企業から多額のコンサル料を受け取っていました。
その意味では「アメリカ外交を資金源に変えた天才」とも呼ばれ、自らの後進である国務省やFBIなどの長官経験者を雇い入れ、顧客拡大に活かすという商才も発揮。
コンサル料はバラバラでしたが、最低でも年間1億円は下りません。
また、なかなかの色事師でもあり、「ホワイトハウスのプレーボーイ」と異名を取っていたほどです。
本年5月、100歳の誕生日をニューヨークの公立図書館で盛大に祝いました。
ブリンケン国務長官やバーンズCIA長官など政府高官に加えて、グーグルやブルームバーグなど経済界はもちろん、ファッションやエンターテイメント業界の美女軍団も駆けつけ、実に華やかな「蝶ネクタイパーティー」だったようです。
そんな「外交錬金術師」はアメリカ史上、他に例を見ません。
もちろん、日本には対抗馬など皆無でしょう。
ちなみに、「和製キッシンジャー」と呼ばれ、佐藤総理の密命を受け、アメリカとの間で沖縄返還の舞台裏で活躍した若泉敬教授などはキッシンジャー博士の足元にも及ばない質素な生活ぶりでした。
ブレア元英国首相はキッシンジャー博士を「外交を芸術にした」とべた褒めしましたが、キッシンジャー博士の本領はサウジアラビアとの密約で「ペトロダラー体制」を構築したように、「自らの外交経験と人脈をマネーに変える仕掛けを生み出した」凄腕であることだと言っても過言ではありません。
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