プーチン大統領とワグネルの心理戦:勝ったのはどちら? | 浜田和幸オフィシャルブログ Powered by Ameba

プーチン大統領とワグネルの心理戦:勝ったのはどちら?

ウクライナ戦争は思わぬ方向に進んでいます。

 

何かといえば、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」の創業社長プリゴジン氏がプーチン政権に反旗を翻したからです。

 

表向きはショイグ国防大臣の首のすげ替えを要求するという体裁を取っていますが、プーチン大統領が任命した大臣の首を要求することは、プーチン大統領の政策を否定することになります。

 

プリゴジン氏といえば、「プーチンの料理人」と呼ばれ、プーチン大統領の庇護と後ろ盾を武器にレストランビジネスで大成功を収め、その後も、インターネット業界や建設分野でも財を成した立志伝中の人物。

 

軍歴はなく、金融犯罪にも手を染め、10年近くの刑務所暮らしも経験しています。

 

 

その後、ロシアの正規軍が敬遠するような「汚れ仕事」を専門で請け負う「戦争会社」を立ち上げ、プーチン大統領の後ろ盾もあり、軍の幹部をリクルートしては現場の指揮を任せ、中東やアフリカで活動してきました。

 

現在進行中のウクライナ戦争でも、2万5000人ほどの囚人を「戦果を上げれば、無罪放免させる」との条件で引っ張り出し、最前線で働かせています。

 

彼らの傍若無人な戦闘によって、ウクライナ東部の要衝はロシアの手中に落ちたといっても過言ではありません。

 

しかし、プリゴジン氏は「武器が足らない。燃料も食糧も不足している。もっと金もくれ」と、要求をエスカレートさせ、ロシアの国防部と対立するようになってきました。

 

更には、アメリカでの報道によれば、ウクライナのゼレンスキー政権と裏取引を重ね、ロシアの軍事情報を横流しすることで、アメリカからも裏金を受け取るような荒技を見せているようです。

 

これには、さすがのプーチン大統領もはらわたが煮えくり返ったに違いありません。

 

今回の「正義の行進」と銘打った疑似クーデターを勿怪の幸いとばかり、ワグネルとプリゴジン氏のせん滅を決断したわけです。

 

日本を始め欧米諸国では、一連の騒動を「プーチン政権の終わりの始まり」と捉える傾向がありますが、現実はその逆で、ブリゴジンの首を切ることで軍と民間戦争会社の一体化を図り、政権の基盤を強化することになりつつあります。

 

実は、プリゴジン氏は国防部や海外からの裏金で私腹を肥やしており、今回の騒ぎを受け、ロシアの治安部隊がサンクトペテルブルクにあるワグネルの本社に入り、日本円で50億円を超える現金を押収したとのこと。

 

このニュースが世界を駆け巡ると、ワグネルの幹部や兵士らの間でもプリゴジンへの不信感が一挙に高まったようで、モスクワ進軍に参加した兵士は少人数でした。

 

要は、この「1日疑似クーデター騒動」の勝負はプーチン大統領の勝利で終わりそうです。

 

 

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