本日、投票のフランス大統領選挙の行方
本日4月10日、フランスでは5年に1度の大統領選挙が行われます。
2週間前までは現職のマクロン大統領の再選が確実視されていました。
というのも、ウクライナへの軍事侵攻を進めるロシアのプーチン大統領との間で直接交渉を含め、電話会議をも重ね、戦争の終結に向けての調停役を演じていたからです。
国際社会に限らず、多くのフランス国民も、そうした活発な外交努力を評価し、再選を後押しする雰囲気が醸し出されていました。
各種世論調査でもマクロン氏の圧倒的優位が示されていたものです。
ところが、一寸先は闇、ということでしょうか。
投票日を目前に控え、マクロン支持率が急落し始めました。
何と「極右」と目されてきたルペン女史が急速に支持を拡大しているのです。
背景にあるのはフランス国内の経済情勢の悪化に他なりません。
ウクライナ戦争が長期化する兆しが濃厚となり、フランスではエネルギー価格を始め、食糧など日用品の価格が急騰中です。
失業率も高止まりしており、国民の不満は「ロシアの大統領に向き合うより、われわれフランス国民の窮状に目を向けてくれ」というもの。
そこに活路を見出したのがルペン候補です。
「マクロン氏は金持ち優遇で、我々庶民の気持ちが分かっていない」と現政権批判を展開し、一般有権者の気持ちに向き合っています。
また、彼女は前回の大統領選挙で強力に主張した「フランス第一主義」を軌道修正し、発言をマイルドなものに変化させました。
そして自らが「シングルマザー」として苦しい生活を余儀なくされているという面をアピールし、同情票の獲得にも効果を上げているようです。
実は、エリート街道まっしぐらで、フランス史上最年少の大統領の座に就いたマクロン氏は「グローバル主義」を掲げ、アメリカとの共同歩調を最優先したため、左右両陣営からも一般国民からも「フランスの国益を二の次にしている」との批判を浴びることになってしまいました。
今回は12人の大統領候補が競い合っていますが、本日の投票では誰も過半数の票を確保できず、4月24日の上位2候補による決戦投票にもつれ込むことになりそうです。
その結果、最終的に国民の支持を得るのはマクロンかルペンのどちらでしょうか?
2017年の決戦投票ではマクロンに大差で敗れたルペンですが、今回は逆転があるかも知れません。
ウクライナ戦争をきっかけにして、「国際秩序」が大きく変わり始めており、これまでのアメリカ主導のグローバル主義が敗北する可能性があるからです。
結果次第では、日本や世界の政治、経済動向にも想定外の影響が及ぶに違いありません。
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