明日から始まる北京冬季五輪の行方
今からちょうど50年前、1972年2月3日、アジアで初となる札幌冬季五輪が開幕しました。
当時、大学生だった筆者はボランティア通訳として競技会場で慌ただしい毎日を過ごしたものです。
思い起こせば、平和な祭典でした。
それと比べると、明日から始まる北京冬季五輪はスポーツの祭典というよりは国際政治の争いの場といっても過言ではありません。
やれ「外交的ボイコット」だとか、「期間中にククライナを巡って戦争が勃発しそうだ」とか、にぎにぎしい限りです。
ウクライナの選手は「ロシアの選手とは握手などするな。口もきくな」と上から指示が下りているとのこと。
実に寂しい限りです。
オリンピックが政争の場になったのはいつからでしょうか?
1968年、メキシコシティ五輪では38か国がアパルトヘイト政策を進める南アフリカのオリンピック参加に抗議し、ボイコットしました。
その後も、人種問題を巡って、アフリカ諸国によるオリンピックのボイコットが続いたものです。
また、1980年のモスクワ五輪は旧ソ連のアフガニスタン侵攻に抗議するため、アメリカも日本もボイコットし、選手団を派遺しませんでした。
そして4年後の1984年のロサンゼルス大会には、その返礼で、ソ連やその同盟国がボイコットしたものです。
今回はアメリカのバィデン政権が同盟国に「中国における人権侵害問題」を理由に、北京冬季五輪の「外交的ボイコット」を呼びかけましたが、応じたのはイギリス、カナダ、オース
トラリアなど数か国に過ぎませんでした。
要は、中国の経済的影響力の大きさが無視できない要因だったとは思われますが、アメリカの二枚舌外交にョーロッパはじめ多くの「同盟国」は同調しなかったというわけです。
何かといえば、「人権問題」を振りかざすのであれば、アメリカがイラクやアフガニスタンでイスラム教徒を弾圧してきた事実は動かし難く、今でもキューバのグアンタナモ基地では多くのイスラム教徒が米軍基地内の収容所に隔離され虐待を受けているからです。
オリンピックを通じて、世界の人々が理解と友情を深め、世界の平和を実現する、という理想はどこかに置き忘れられてしまったようで、繰り返しますが、実に寂しい限りと言わざるを得ません。
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