米中の緊張高まる中でアメリカ海軍の度重なる不祥事 | 浜田和幸オフィシャルブログ Powered by Ameba

米中の緊張高まる中でアメリカ海軍の度重なる不祥事

沖縄を本拠地とするアメリカ第7艦隊の将校らが、いわゆる「ハニートラップ」にひっかかり、重要な軍事機密を海外のメーカーに漏洩した事件が今、裁判で明らかになっています。

 

 

いわゆる「ファット・レオナード事件」のことです。

 

主犯格のマレーシア企業の社長がレオナードという名前で肥満体型だったのでしょう。

 

海軍の司令官は25万ドルの現金や売春婦による接待攻勢を受けた見返りに350億ドルの価値のある軍事情報を流したことを認めています。

 

この司令官はじめ34人もの海軍将校、国防産業関係者、マレーシア企業の社員が逮捕、拘束されました。

 

大スキャンダルですが、日本ではほとんど報道されません。

 

こうした国家の安全保障に関するようなスキャンダルは闇から闇に葬り去られるケースが大半のようです。

 

更に追い打ちをかけるように発生したのが海軍の誇る最新鋭のジェット戦闘機F35-Cの墜落事故でしょう。

 

 

1月24日、南シナ海での訓練中に、空母「カールビンソン」への着艦に失敗し、7人の負傷者を出した上で、海中に墜落してしまいました。

 

「空飛ぶコンピュータ」と異名を取るほどで、最新鋭のレーダーやミサイル発射技術を搭載している「軍事機密の塊」と言われる優れものとされ、1機1億ドルもします。

 

ロッキード・マーチン製ですが、アメリカ史上最高額の戦闘機に他なりません。

 

問題は中国もロシアもこの最新鋭のジェット機を回収し、その機密を入手しようと動いていることです。

 

中国もロシアも「アメリカの弱点を探る」ために必死で現場海域を動き回っています。

 

もちろん、アメリカ海軍も回収作業に向かっていますが、公海上で起きた事故であり、「南シナ海全域を自国の領海」と主張する中国が有利な立場を維持しているようです。

 

実は、これまでも似たような事故は頻繁に発生してきました。

 

例えば、1974年にはハワイ沖で沈没したロシアの潜水艦をアメリカは回収し、1976年には中国沖で沈没した英国の潜水艦を中国が回収しています。

 

また、2011年になるとビンラディンの暗殺時に墜落したアメリカのステルス・ヘリコプターを中国が回収し、2019年にはフィリピン沖で沈没したアメリカ海軍の輸送艦をアメリカが何とか回収に成功しました。

 

とはいえ、このような公になった事故や回収作業は氷山の一角に過ぎません。

 

要は、地上でも水面下でも相手の機密を探る活動が繰り返されている現実があるわけです。

 

最近ではサイバー空間を舞台にした情報戦がよく話題になりますが、実際には生身の人間や現物の武器を巡っての争奪戦の方がより高い価値を生むと思われます。

 

 

 

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