北京冬季五輪に暗雲を投げかけるウクライナ情勢
あと10日で北京冬季五輪が開幕します。
思えば、初の冬季五輪は1924年、フランスのシャモニー・モンブランで「試験的に」開催されました。
参加したのは16か国で、日本も選手の派遣を検討しましたが、前年に起きた関東大震災の被害が甚大であったため見送ったものです。
今回の第24回冬季五輪には90か国が選手団を派遣します。
日本選手団の活躍が期待されていますが、国際情勢は緊迫しており、中でもウクライナを巡るロシアとアメリカの対立が懸案材料です。
万が一、ロシアがウクライナに攻め込むような事態になれば、平和の祭典にも影を落とすことになるでしょう。
そのためか、主催国の習近平国家主席はプーチン大統領に電話し、「ウクライナに攻め込むのは北京冬季五輪が終わってからにしてくれ」と要請したとか。
ウクライナ軍の責任者も「ロシアが攻撃を仕掛けてくるのは、北京冬季五輪が終わる2月20日過ぎが危ない」と警戒感を高めているようです。
もちろん、ロシアはそうした報道を全否定しています。
しかし、アメリカはウクライナに駐在する外交官やその家族を国外退避させ始めました。
そうした危機感を高めるようなアメリカの動きに対して、最も反発しているのは当のウクライナのゼレンスキー大統領に他なりません。
同大統領曰く「バイデン大統領はおかしい。ちょっと前までは全面的にウクライナを護ると言っていながら、ロシア軍が国境周辺に兵力を結集させると、自国の外交官らをいの一番で国外へ脱出させるというのだから」。
確かに、バイデン大統領は昨年もアフガニスタンから一方的に米軍を撤収させ、大混乱をもたらしても平気でした。
そこで、ウクライナの大統領は皮肉を込めて語っています。
「アメリカ人はわが国の首都キエフにいる方が安全だ。なぜならアメリカの方が、犯罪と暴力といった危険が一杯だろう。我々はたとえロシア軍が攻め込んできても、必ず追い返す自信がある」。
現状はメディアを通じた情報戦が主流ですが、ロシアによるウクライナの政府機関へのハッキングは加速しているようです。
いつ、どこで戦争の火ぶたが切って落とされるのか、予断を許しません。
北京五輪の向こうでは、既に熾烈な戦いが演じられていることに注目する必要があるでしょう。
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