マハティール元首相は新著の出版直後に緊急入院 | 浜田和幸オフィシャルブログ Powered by Ameba

マハティール元首相は新著の出版直後に緊急入院

マレーシアのマハティール元首相は通算24年間も首相の座にあり、現在、96歳ですが、「天下のご意見番」として世界からも注目を集める存在です。

 

本年12月12日には新著『Capturing Hope: The Struggle Continues for a New Malaysia』(希望を失うな:新生マレーシアのための戦いは続く)を世に問うたばかりでした。

 

 

この304ページに及ぶ大書を通じて、マハティール氏は93歳で首相に返り咲き、2度目の最高指導者として挑戦した政治改革が挫折した経緯をつぶさに書き連ねています。

 

1990年代に「マレーシアの奇跡」とも言われた経済発展をもたらした「ルックイースト」(日本から学べ)の立役者だったマハティール氏ですが、2018年に誕生した連立政権では内部対立に足を引っ張られ、思うような改革を実現できませんでした。

 

2020年2月、彼は突然、辞任を発表。

 

 

マレーシアはもちろん、世界に激震が走りました。

 

その間の苦渋に満ちた思いを明らかにし、若い世代への希望を託しているのが、この新たな回想録です。

 

それによれば、マレーシアは膨大な財政赤字に直面しているにもかかわらず、一部の政権中枢の官僚や政治家は私腹を肥やすことに汲々としているとのこと。

 

マハティール氏は「政治家が国民から選挙で選ばれていない」と訴えています。

 

どういうことかと言えば、「お金の力で選挙民を買収することが日常茶飯事になっている」というわけです。

 

1981年から2003年まで、彼が最初に首相を務めた時期には政治の腐敗や汚職を一掃することができたのですが、その後は「悲惨な状況が蔓延してしまった」と、実名を挙げて嘆いています。

 

実は、この本が書店に並んだ直後、マハティール氏はクアラルンプールの国立心臓病センターに緊急入院することになりました。

 

詳しい容体は明らかにされていません。

 

渾身の思いを込めて書き上げた新著は、ある意味では後世への遺言だったのでしょうか。

 

大の日本びいきで、マレーシアを引退した日本人の第2の故郷にしようと、「安全と安心のマレーシア、多民族の融合するアジアのオアシス」構想を進めていたマハティール氏の健康回復を心から願うばかりです。

 

 

 

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