北京冬季五輪ボイコットに反対するトランプの思惑
来年2月に開催される北京冬季五輪・パラリンピック大会ですが、波乱含みです。
欧米を中心に感染拡大が広がるオミクロン株が中国でも確認されました。
中国政府は徹底的なロックダウンや入国者の制限を実施するでしょうが、どこまで感染を食い止めることができるでしょうか?
それより懸念されるのはバイデン政権が同盟国に呼びかけている「外交的ボイコット」の影響です。
開会式を始め、競技への応援などに「政府関係者は出席しないように」との要請に、カナダ、イギリス、オーストラリアなどは同調しています。
岸田首相も「自らの出席はない」とアメリカ寄りの姿勢を明確にしました。
ところが、肝心のアメリカからは「ボイコット反対」の声が上がっているのです。
その中心人物が誰かといえば、トランプ大前統領に他なりません。
フォックスニュースのインタビュー番組で、トランプ氏は「オリンピックのボイコットは意味がない」と大声で述べ、バイデン大統領との違いを強調しました。
その理由は「ジミー・カーターの二の舞になるからだ。1980年のモスクワ・オリンピックをボイコットしただろう。その結果、どうなった。何も変わらず、選手が傷ついただけだったじゃないか。お蔭で、アメリカのメンツは丸つぶれさ。しかも、ソ連やその同盟国は1984年のロサンゼルス・オリンピックをボイコットしやがった。いいことは何もない」というわけです。
トランプに言わせれば、「もし中国の人権侵害を止めさせようと思えば、もっと効果的な手段はいくらでもある。経済制裁を強めればいいだけの話さ」。
続けて曰く「中国が最も恐れているのは経済成長が止まることだ。もし、そうなれば国内で猛反発が起き、政権の維持すら難しくなるだろう。アメリカはそこを突くべきで、オリンピックのボイコットなど愚の骨頂だ」。
実は、中国政府だけでなく、ロシアやフランスを筆頭に多くのヨーロッパ諸国は「スポーツイベントへの政治的介入には反対」の意向を明らかにしています。
とはいえ、一度振り上げた拳を引っ込めるわけにもいかず、バイデン政権は中国の人権侵害や台湾への武力行使の可能性を振りかざし、中国との対決姿勢をことさら強調する一方です。
トランプ前大統領は同じインタビューで「習近平は殺人者だ。しかし、俺は大統領の時、彼とうまくやり合った。彼は俺のことが大好きで、俺も彼が気に入っている。俺は人殺しとも良好な関係を持つことができるのさ。どこかの老いぼれとは大違いだ」と、得意の支離滅裂砲を炸裂させていました。
要は、分裂国家アメリカを象徴するのがバイデン発の北京冬季五輪ボイコット騒動なのです。
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