G20もCOP26もスルーする習近平国家主席の思惑 | 浜田和幸オフィシャルブログ Powered by Ameba

G20もCOP26もスルーする習近平国家主席の思惑

昨日の衆議院議員選挙の結果、自民党は単独過半数を確保できたため、岸田総理は遅ればせながらグラスゴーで開会中のCOP26へ飛び立つことになりました。


選挙戦の最終日と重なったため、その直前にローマで開催されたG20には欠席し、ビデオメッセージを送っただけの岸田総理。
 

 

日本にとっても重要なポストコロナ時代の経済通商政策や地球温暖化対策について、各国首脳とどこまで議論を深め、具体的な国際的合意を形成できるのか、外交手腕が問われます。
 

一方、温暖化対策には欠かせない世界最大のCO2排出国である中国は代表団を派遣するものの、習近平国家主席は欠席の意向です。
 

2020年1月にミャンマーを訪問して以来、海外には21カ月以上、出かけていません。
 

コロナ以前には世界のトップリーダーとしては最も頻繁に海外訪問を重ねていたのが習近平主席でした。
 

年平均14か国を訪問し、34日間は国外ということで、オバマ元大統領やトランプ前大統領を圧倒していたものです。
 

ところが、急に海外訪問を止めてしまったため、様々な憶測が飛び交っています。
 

健康不安説も聞かれますが、来年の党大会に向けての基盤強化に忙殺されているというのが実態でしょう。
 

何しろ、更なる任期の5年延長がかかっているのが来年の党大会ですから。
 

G20やCOP26での「対面外交」よりも、国内での「終身国家主席」への道を優先しているに違いありません。
 

実は、この11月8日からは北京で共産党幹部による重要な非公開会議が予定されているため、北京を離れるわけにはいかないと思われます。
 

しかし、アメリカに対抗する上で、習近平主席が力を入れているのは「電話外交」なのです。
 

 

しかも、岸田総理などとは対照的に、電話の相手は発展途上国が中心になっています。
 

例えば、先週もパプアニューギニアの首相との電話会議を行ったばかりです。
 

マラペ首相曰く「COP26でバイデン大統領と挨拶はできるかも知れないが、実のある話し合いは期待できません。しかし、習主席との電話会議ではじっくりと話し合うことができました」。
 

バイデン大統領も岸田総理も「価値観を共有する国々と連携を強める」との姿勢ですが、QUADにしてもAUKUSにしても「大国中心」です。
 

「独自外交」と言うのであれば、今こそパプアニューギニアのような水没の危機に面しているような「中小国」へも目を向ける必要があるでしょう。
 

 

 

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