自由の女神も真っ青!アメリカの不自由な政治とメディア
アメリカの民主主義を象徴する「自由の女神」の正式名称を知っていますか?
1886年10月28日、アメリカの独立100周年を祝い、フランスとアメリカの友好を促進するために、フランス国民の募金をもとに作られた女神像の除幕式が行われました。
正式名称は「Liberty Enlightening the World」に他なりません。
要は、「世界を照らす自由」という意味が込められていたわけです。
右手にはたいまつ、左手には1776年7月4日と刻まれた独立宣言書を持っています。
ニューヨーク港のリバティ島に立ち、海外から自由の国アメリカを目指してやってくる多くの移民や避難民を最初に歓迎してくれたのが、この女神像でした。
この135年の間、アメリカの隆盛や困窮を静かに見守ってきた存在です。
しかし、このところの分断や混乱が進むアメリカの様子にはさぞかし困惑しているに違いありません。
日本では粛々と総選挙が進行中ですが、アメリカでは過激な政治的な争いが日常化しています。
2024年の大統領選挙の行方を大きく左右するのが来年の中間選挙です。
バイデン陣営も、トランプ陣営も既に対立モードで非難合戦を繰り広げています。
トランプ氏は「TRUTH Social」と名付けた新たなメディアを立ち上げると宣言しました。
大手メディアやフェースブック、ツイッター、ユーチューブなどは「フェイクニュース」で満ちているので、「真実を伝えるメディア」を自らスタートするというわけです。
先の大統領選挙でバイデン氏は8100万票を得て当選したのですが、トランプ氏は「俺は1億2000万票を得ていた。しかし、電子集票マシーンが操作され、俺の票は過少に集計されてしまった」と、今でも敗北を認めていません。
そのため、「全く新しい集票マシーンを導入したい」と語気を強めているのです。
しかも、「5ドル払えば、携帯から直接投票できるようになる」と前宣伝にも熱を込めてます。
何やら、選挙にからめて自分のビジネスを最優先しているような状況です。
自分にとって不都合なニュースは全てフェイクニュースにしてしまおう、という発想では、とても世界を照らす自由は得られないでしょう。
問題はそんなトランプ氏がいまだ熱狂的な支持者に囲まれ、トランプ砲を打ち続けているものの、一方のバイデン大統領はアルツハイマー病と言われるばかりで、なす術を持たないことです。
これではアメリカの自由も民主主義も早晩、過去の遺物とならざるを得ません。