日本もアメリカも政治の世界はウソが蔓延! | 浜田和幸オフィシャルブログ Powered by Ameba

日本もアメリカも政治の世界はウソが蔓延!

菅総理が総裁選への出馬を断念した理由について、永田町では様々な憶測が飛び交っています。

 

中には「ワクチンの接種が進むと、遅かれ早かれ、コロナの感染者や死亡者が増えるため、その責任を回避するために身を引くことにした。後はワクチン担当大臣の河野氏に責任を転嫁するつもりのようだ」というものまで。

 

一方、アメリカではコロナ対策の責任者であるファウチ博士をめぐるフェイクニュースが蔓延しています。

 

きっかけは同博士が11月に出版する新著『想定外を想定せよ:真実と奉仕に関する10の教訓と未来への展望』の先行予約がアマゾンはじめ大手の書籍販売サイトから突然消えたことでした。

 

 

このことをいち早く問題視したのが共和党のジャクソン下院議員です。

 

かつてトランプ前大統領の主治医を務めたこともある人物に他なりません。

 

同議員曰く「ファウチ博士はコロナ禍を自分の金儲けに利用している。今でも大統領より多額の報酬を得ていながら、多くの国民の不幸に付け込み、印税や記録映画で更に大儲けを狙っている。そんな自己中な出版は差し止めにすべきだ」。

 

この発言に600万人を超えるアメリカ人が同調し、出版や販売の差し止めをSNSで拡散したため、アマゾンも予約サイトをキャンセルせざるを得なくなったというわけです。

 

 

確かに、ファウチ博士の言動には物議を醸すものが多々ありました。

 

しかし、今回の出版に絡んでのファウチ批判は全く根拠がありません。

 

なぜなら、出版元のナショナル・ジオグラフィック・ブックス社が「印税は全て科学研究の財団に寄付される契約になっている」と明言した上で、アマゾン等の予約サイトが消えたのは「11月初旬の発売開始までまだ時間があるので、中身をより洗練させるための措置に過ぎず、間もなくバージョンアップした予約サイトが登場する」と説明しているからです。

 

とはいえ、ネット上では不正確で根拠のない情報が燎原の火の如く拡散します。

 

ファウチ博士は一連の騒動に対して一言も弁明も反論もしていません。

 

 

まさに同書のタイトルが示唆するように、「真実が最後に勝つ」ということでしょうか?

 

「言ったもの勝ち」のようなネットの世界には常にこうした落とし穴が隠されているように思えます。

 

どんな時でも、自分で考え、自分で判断する努力が欠かせません。

 

 

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