アフガン以上に熾烈な戦い:世界のワクチンメーカーの市場争い
アフガニスタンの情勢は日に日に悪化する一方である。
国民の平均年収は500ドル、即ち、6万円に満たない。
既に銀行のATMは払い出しが不能となっている。
物不足による物価上昇は凄まじい。
これまでは主にアメリカ政府がドルをばらまいていたが、今は昔の話である。
ミャンマーやシリアでも悲惨な状況が続いている。
実は、世界を襲う新型コロナウイルスに対してワクチンの接種を禁止している国の筆頭がアフガニスタンであった。
そのワクチンを巡っては熾烈な市場争奪戦が繰り広げられている。
日本では報道されいないが、ファイザー・モデルナ連合はアストラゼネカやジョンソン・エンド・ジョンソンを市場から排除する動きを加速させているのである。
政治的なコネをバックに、世界規模でワクチン市場の独占体制を構築しているのがファイザー・モデルナ連合だ。
アメリカは中国が途上国に対して「ワクチン外交」を展開していると非難しているが、バイデン政権は全く同じことを「援助外交」と称して繰り広げており、ファイザー製のワクチン5億回分を買い上げている。
その結果、ファイザーのワクチン売り上げはうなぎ上りで、本年1月から3月だけで58億ドルを突破。
モデルナは17億ドルを超えている。
しかも、売り手市場ということで、ファイザーは7月末、価格を1回分19.5ドルから28ドルに値上げ宣告した。
しかも、それまでは2回接種で良かったものを、予防効果が下がってきたため3回接種を推奨することになった。
この状況が続けば、ファイザーの全世界での売り上げは6636億ドル(約70兆円)に達する見込みである。
ファイザーもモデルナも社長はワクチンを接種せず、社員にも接種を促していない。
自分が打つより、1回分でも多く、世界に売りまくろうという魂胆であろうか。
その商魂の逞しさにはタリバンもお手上げになるかも知れない。
********************
好評発売中!
『イーロン・マスク 次の標的 「IoBビジネス」とは何か 』(祥伝社新書) 浜田和幸
********************