フランスの哲学者パスカルの言葉を噛みしめよう
フランスの哲学者にして数学者だったパスカルは1662年の8月19日に亡くなった。
何と38歳の若死である。
彼の残した名言といえば、「人間はこの上もなく弱い一本の葦に過ぎない。しかし、それは考える葦である」に尽きるだろう。
翻って、我々は考えることを放棄していないだろうか、と自問自答する今日この頃だ。
朝から晩まで、テレビでもネットでも「コロナ、コロナ」の大合唱である。
菅総理に至っては記者会見で「感染拡大が最重要任務だ」と、トンデモない言い間違いを繰り返す。
相当なお疲れぶりであるが、「自分で考える」という当たり前の行為を忘れてしまった結果ではないだろうか。
さて、混乱の続くアフガニスタンでは来週から始まる東京パラリンピックに出場予定だった選手が「飛行機が飛ばなくなったので、夢を諦めざるを得ない」と悲痛なビデオメッセージを発信している。
首都カブールの空港で待機していたわけだが、タリバンによる首都奪還の混乱で民間の飛行機は全て飛べなくなってしまったようだ。
平和の祭典のオリンピックやパラリンピックと言われるが、戦争や紛争が絶えない地域も多いのが現状である。
国際パラリンピック委員会のパーソンズ会長は「残念だ。4年後のパリの大会に出場して夢を実現してほしい」との談話を発表した。
しかし、これではアフガンの若きアスリートは浮かばれないだろう。
パラリンピックの開会式には国際オリンピック委員会のバッハ会長も再来日するという。
「国境を超えた相互理解を促し、スポーツを通じて世界の平和を目指す」と謳うのであれば、アフガニスタンの選手が来日できるように知恵を絞るべきではないだろうか。
しかも、たった2人の代表選手である。
自国民を救出するために政府専用機を多数送り込んでいる欧米諸国に働きかけることもできるはずだ。
パーソンズ会長やバッハ会長には「考える葦」になってもらいたい。
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