東京五輪最年少12歳のシリア選手の熱いメッセージ | 浜田和幸オフィシャルブログ Powered by Ameba

東京五輪最年少12歳のシリア選手の熱いメッセージ

今回の東京オリンピックでは様々な記録が塗り替えられています。


日本人選手による多くのメダル獲得もそうですが、12歳という年齢で参加したシリアの卓球女子選手も注目を集めました。
 

ヘンド・ザザさんは、今大会参加者の中では最年少ですが、卓球に限っていえば、オリンピック史上最年少記録を更新したわけです。
 

 

アトランタ・オリンピックでシリアに金メダルを持ち帰ったガーダ・ショウア選手の再来として期待を背負っての来日でした。
 

とはいえ、シリアでは2011年の内戦ぼっ発以降、戦火に見舞われ、死者は50万人を超え、難民も550万人を数えています。
 

アメリカ軍やトルコ軍が進駐し、アメリカによる経済制裁を受けているのがシリアです。
 

世界銀行からの融資も中断され、国際社会からは孤立状態状態に置かれています。
 

停電は日常茶飯事で、食料もままならない中、ザザさんは練習には苦労したようです。
 

何しろ、ラケットやボールも簡単には手に入らないのですから。
 

海外での試合に出場するにもビザの取得は一苦労だったと言います。
 

 

かつては中東アラブ世界では豊かな農業を誇り、テレビ番組の制作、輸出でも大きな地位を占めていたのがシリアでした。
 

今では疲弊する一方ですが、誇り高い国民にとってヨルダンで開催された西アジア予選で勝利し、オリンピック出場権を得たザザさんの登場は「希望の星」だったと思います。
 

残念ながら、東京では予選1回戦でオーストリアのベテラン選手に敗退しました。
 

しかし、試合後には未来の自分と世界の紛争下で苦闘する見知らぬ友へのメッセージを語っています。
 

「この5年間、厳しい環境の中で練習を重ねてきました。国中で戦火が絶えず、日本への渡航費用の捻出にも悩まされました。でも、オリンピック出場という夢を実現でき、満足しています。次回はもっと勝ち進みます。目標を達成するために、これからも希望を失わず努力を続けます」。
 

次の2024年のパリ大会での活躍を期待したいものです。

 

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