失踪の後、ウガンダに帰国した重量挙げ選手の運命
東京オリンピックでの日本人選手の健闘ぶりが連日、華々しく報道されています。
そうした高揚感溢れるニュースの陰で、オリンピックの開幕直前に失踪したウガンダの選手は四日市市に住む知人の住まいで発見され、本国に送り返されました。
それまで滞在していた大阪のホテルには「生活の苦しいウガンダには帰らず、日本で働きたい」との置き手紙を残しての失踪劇。
期待を背負って来日したのでしょうが、日本に到着した後に、国際ウェイトリフティング連盟から「ランキングが下がったので、オリンピック出場権はなくなった」との通知が届いたわけで、無念の涙を飲んだに違いありません。
過去、ウガンダの選手は陸上とボクシングでメダルを獲得してきましたが、重量挙げという新たな競技に挑んだ彼は晴れの舞台に立つこともなく帰国を余儀なくされたわけです。
いずれにせよ、潜伏先を見出した日本の警察はたいしたもの。
問題は、帰国した選手を待っている運命です。
ウガンダの空港には身重の妻と子供、そして母親や叔母も揃って出迎えに来ていました。
その前にはウガンダのオリンピック担当コミッショナーと共に内務省(警察)からも係員が待ち構えており、コーチに連れられて到着ロビーに姿を見せた彼の様子は観念したようにも見えたものです。
彼の母親は「息子は悪気があって失踪したわけではありません。妊娠中の妻には常時、携帯で連絡を入れていました。オリンピックには出場できなくなりましたが、その代わり、生活の足しになるものを稼いで帰ろうとしただけのことです。穏便な処遇をお願いします」と涙ながらに訴えていたとのこと。
ウガンダ政府は「彼の行動は不名誉な倫理違反であり、社会復帰のための適切な措置(リハビリ)が必要」との立場を明らかにしています。
果たして、20歳になったばかりの彼はカムバックできるのでしょうか。
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