TPPの根底を揺るがす米中の軍事的対立の行方 | 浜田和幸オフィシャルブログ Powered by Ameba

TPPの根底を揺るがす米中の軍事的対立の行方

わが国では環太平洋経済連携協定(TPP)の大筋合意を歓迎する声が大きくなっています。

しかし、せっかくの巨大な自由貿易圏構想を根底から覆すような行動をとっているのがアメリカのオバマ大統領です。

中国への軍事的挑発行為に他なりません。

もちろん南シナ海での岩礁の埋め立てや軍事基地化は国際ルールを無視するものです。



そうした行動をとる中国に問題があることは間違いないでしょう。

とはいえ、話し合いや外交交渉をすっ飛ばし、巡航ミサイルをちらつかせながら駆逐艦を間近に送り込むやり方も、また、国際ルールを踏みにじるもの。



それこそ、一歩間違えば、軍事衝突に発展しかねません。

そうなれば、世界最大の自由貿易圏構想など一挙に絵に描いたモチになるはずです。

CIAの元副長官、マイケル・モレル氏曰く「米中が戦争に突入するという可能性が現実のものに近づいている」。

また、天才投資家と異名をとるジョージ・ソロス氏にいたっては「これは第3次世界大戦の幕開けになりかねない」と警告を発するほど。

既に、本年、世界の貿易総額は8.4%も減少しています。

対前年比で、アメリカの輸出は11%の落ち込み。

中国の輸入は20.4%もダウン。

米中間の軍事的緊張の高まりは「TPPの夢」を破壊して余りあるものになるでしょう。

安倍政権にそうした認識はなさそうです。

日本外交の手腕が問われています。