「言葉と文化の壁」を越える葛飾区での国際ワークショップ | 浜田和幸オフィシャルブログ Powered by Ameba

「言葉と文化の壁」を越える葛飾区での国際ワークショップ

外国人の受入れと社会統合のための国際ワークショップが外務省、国際移住機関(IOM)、葛飾区の共催で開かれました。

毎年開催されているのですが、本年のテーマは「医療分野における外国人と外国人材:言葉と文化の壁を越えて」。

多くの参加者が感動したのはフィリピンからEPA介護福祉士候補者として来日し、特別養護老人ホームで就労中のピンキー・アルバレスさんの体験報告でした。

病に苦しむ父親の手助けになりたい、と日本での介護研修に必死で取り組み、来日3年目にして介護福祉士国家試験に合格したピンキーさん。


(介護サービス中のピンキーさん)

人を相手にする仕事には失敗が許されない、という不安にさいなまれたとのこと。

なにしろ、日本語の学習期間はわずか半年。

研修を始めた介護施設では当初、バカにされたり、辱めを受けることも多々あったと言いますが、母国で療養中の父親のことを思い出しては仕事に励んだそうです。

日々、新たなことを学べることに感謝し、常に高齢者の方々に笑顔で接することで、徐々に日本の環境に馴染み、今では地元のケア施設で皆の模範となる“輝く存在”として表彰されるまでに。

まさに「言葉と文化の壁」を越える上で欠かせない、目的意識と万国共通の笑顔の大切さを再確認させられた次第です。

続くパネル討議では大阪大学大学院人間科学研究所の中村安秀教授による巧みな司会進行の下、アメリカ、イギリス、アフガニスタン、日本のパネリストによる示唆に富む現場報告と問題提起が行われ、会場との質疑応答も大いに盛り上がることに。



特筆すべきは、今回の会議に参加を希望した聾唖者のために、手話通訳をボランティアで務めようと、大阪から駆けつけてくれた寺嶋幸司さんの活躍ぶり。

これにはアメリカ人で国際聾唖連盟の役員でもあったペギーさんも大喜び。

間違いなく「言葉の壁」を越える交流の場となりました。

素晴らしい出会いに感謝。


(IOMのウィリアム・スウィング事務局長と共に)