津波化するエボラ出血熱の背景にテロの影?
エボラ出血熱が津波のように世界を飲み込み始めています。
わが国にはこうした致死率の高い感染症のウィルスを安全に扱う施設がありません。
ドイツが世界保健機関(WHO)の要請を受け、患者の受け入れを表明しているのと大違いです。
遠いアフリカの出来事だと考えるのは大間違いでしょう。
これだけ世界が繋がる時代にあっては、ギニアから始まった感染が国境を越えて世界中に拡散するのは時間の問題に過ぎません。
現に、アメリカでも中東でもヨーロッパでも感染者が出ています。
香港ではアフリカから帰国した女性がエボラ出血熱の疑いで入院、隔離されたばかりです。
「対岸の火事」と見なしていては手遅れになりかねません。
8月5日にはアメリカ議会でも、緊急対策の協議が始まりました。
幸い、アメリカでは2人の感染患者に対し、動物実験で一定の効果が見られたエボラ対策用の試薬を投与したところ、様態が安定してきたとのこと。
その薬を開発した製薬メーカーの株価は急騰していますが、医療倫理上の問題も指摘されています。
というのは、サルを使った動物実験だけしか行われていないため、人体への影響が確認されていないからです。
また、試薬の段階なのでストックも限られており、急増する一方の感染患者の多くに投与することは現時点では無理があるのです。
そのため、試薬の奪い合いが懸念されます。
別の問題もあります。
現在、病原体の分析が進んでいるようですが、人工的に手が加えられた生物化学兵器との疑いも払拭されていません。
かつてオウム真理教がアフリカからエボラ出血熱のウィルスの入手に躍起になっていたこともあったほどで、テロ集団による動きとの関連も無視するわけにはいかないからです。
こうした問題も秋の臨時国会では取り上げていかねばと準備を進めています。