人口では小国でも、親日度では超大国のカタール | 浜田和幸オフィシャルブログ Powered by Ameba

人口では小国でも、親日度では超大国のカタール

カタール政府が主催する国際会議で2つの講演を行うため、首都ドーハに来ています。


市内の外気温は何と46度を超え、郊外の砂漠地帯では50度を突破。

まさに灼熱の国です。


しかも、今年は砂嵐が異常なほど舞い上がっているのです。




加えて、先週、世界保健機構(WHO)が発表した「世界主要都市のPM2.5による汚染状況」によれば、ドーハは世界で12番目に汚染レベルが高いとのこと。


中国と違い、石炭を燃やしているわけではないので、カタール政府に言わせれば「WHOのデータは信じがたい。第一、北京や上海など中国の都市ではなく、インドのニューデリーが北京より3倍もPM2.5の汚染濃度が高いというのはおかしい」となるのも当然でしょうか。


とはいえ、周辺の砂漠から吹き寄せる黄砂に加え、サッカーのワールドカップの競技場、高層ビルや地下鉄の建設工事現場からはすさまじい勢いで砂塵が舞い上がっているのも事実です。




現在、ドーハ周辺には1000人ほどの日本人が天然ガスや造水プラントを中心に働いており、「健康管理に手を焼いている」との声をよく聞きました。


というのも一人当たりのGDPに関しては世界NO.1のカタールのため、先進国扱いをされており、生活環境は日本より恵まれているという「美しい誤解」が蔓延しているからです。


「日本の本社や本省からは、この暑さと砂嵐の猛威はなかなか分かってもらえない」との切実な訴えも。


確かに、想像を絶する厳しい自然環境にさらされていることは現地に足を運ばなければ理解されないと思われます。


小生、今回で3度目のカタール訪問ですが、これほど激しい熱波と砂嵐に見舞われたのは初めてです。




しかし、200万人のカタール国民はたくましい生命力で「ポスト天然ガス社会」を目指し、激烈な自然環境と立ち向かいつつ、未来に向けた研究開発や人材育成に邁進しているではありませんか。


日本に対する関心や期待も群を抜いています。


6月にはカタール人を対象にした「日本語弁論大会」も予定されているとのこと。


アラブ諸国の中でも抜群の親日国です。


東日本大震災の際には世界最大の資金援助をしてくれました。


今でも、原発がストップする日本にとって天然ガスの最大の供給国であるカタールは間違いなくわが国の生殺与奪権を握っているといっても過言ではありません。


人口面では小国ですが、親日面では超大国です。


訪ねるたびに、相互理解を深める必要があると感じさせる国に他なりません。