謎だらけのマレーシア航空機はどこに消えたのか?
この数週間、アジアや中東の外交官らと意見交換をするたびに話題となるのが行方不明のマレーシア航空機です。
3月8日に消息を絶ってから17日も過ぎているのに、機体のカケラすら見つかっていません。
ブラックボックスからは30日程度は位置を伝える電波が出ているはずです。
マレーシア政府は本日になって「機体はインド洋の彼方に墜落した模様で、全員死亡」と発表しました。
実に不可解な展開です。
乗客の3分の2は中国人ビジネスマンでした。
マレーシアの誇る有名リゾートでカジノを楽しみ、帰国の途にあったといわれています。
彼らの家族も中国政府もこれまでの二転三転する国営マレーシア航空の説明には納得していないようです。
北京にあるマレーシア大使館には真相究明を求めるデモ隊が押し掛けているほど。
テロ集団によるハイジャック説から同機のパイロットの自殺説まで、さまざまなウワサが飛び交っているのです。
中でも、家宅捜索を受けたパイロットのザハリ氏がマレーシア最大野党の指導者アンワル・イブラヒム元副首相の親族であり、熱心な支持者であったことから、「政治的なウラが隠されているのでは」との憶測に輪を駆けることに。
というのも、事故前日の3月7日に元副首相に対する同性愛行為による有罪判決が下ったため、同氏の政治的復活に望みがなくなったのです。
それ以外にも、当初から積荷リストの公開を拒み続けたマレーシア航空の対応は物議を醸していました。
真相は深海の底に潜んでいるのかも知れませんが、マレーシア政府の統治能力が大きく揺らいだことは間違いありません。
情報公開の重要性を改めて認識させる事件といえるでしょう。