2014年のノーベル平和賞の行方
ノーベル賞はスウェーデンですが、ノーベル平和賞はノルウェーが選定します。
「なぜ」と、疑問に思われるでしょうが、その経緯は拙著『ノーベル平和賞の虚構 』(宝島社)をご一読下さい。
いずれにせよ、本年も12月に授与されるノーベル平和賞の候補者の推薦締め切り日が明日に迫ってきました。
実は、各国の国会議員には推薦する資格があるのです。
そのため、小生は毎年、この時期になると頭をめぐらします。
昨年はOPCW(化学兵器禁止機関)、一昨年はEU(ヨーロッパ連合)、その前はリベリアの大統領とリベリアとイエメンの民主平和活動家という3人組が選ばれました。
手元にある推薦書類には、「国際関係において平和の実現に顕著な貢献を果たした人物を推薦すること」が求められています。
しかし、近年、特定の個人を選ぶことが難しい情勢が続いているのも事実。
ソ連のゴルバチョフ氏、ミャンマーのスー・チー女史、南アフリカのマンデラ氏らが選ばれた頃とは隔世の感がします。
とはいえ、世界の直面する難題に挑戦し、平和の果実をもたらした人物は是非とも顕彰したいものです。
推薦者は推薦内容を公表しないように強く要請されているため、誰の名前を記したかは明らかにできません。
ところが、今週、本家のノルウェーの国会議員2人は自分たちのブログで推薦した人物の名前を公表するというルール違反を犯しました。
しかも、2人とも同じ人物を推薦しているではありませんか。
誰かと言えば、元NSAとCIAの契約技術者で内部告発者として世界を驚かせ、現在ロシアに潜伏中のスノーデン氏です。
(サム・アダムズ賞の授賞式に臨むスノーデン氏)
意外に思われるでしょうが、同氏はアメリカ、ドイツ、スウェーデン等の団体から相次いで「世界の平和のために、勇気を奮い、身を賭した内部告発行為を讃える」として数々の賞を受けています。
「まさか」とは思いますが、「ひょっとして」ということが年末にはあるかも知れません。