世界最大のダム国家・中国のムダを排す
中国は世界最大の「ダム国家」です。
何しろ、1949年には22しかなかったダムが今では8万5000を超えるまでに急拡大。
三峡ダムに代表されるような巨大ダムの数も5万箇所と他を圧倒する限りです。
言い換えると、1949年以来、毎日のように新たなダムが建設されているわけです。
「水力発電は環境に優しい」とのスローガンですが、国内のみならず、国際河川の上流に次々とダムを建設しているため、下流域の国々の間では不安感が募っています。
たとえば、メコン川流域。
上流の雲南省に多数のダムが誕生しているため、下流域のカンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム、タイなどでは、「上流をせき止められれば、干上がってしまう」といった声が聞かれます。
国連が呼びかけたメコン川委員会で流域国が抱く不安感を払拭しようとしているのですが、肝心の中国が乗り気でありません。
メコン川といってももとは揚子江の支流。
その源流はチベット高原の永久凍土です。
雪も氷も水も地球の産物。
中国のものでも、メコン流域国のものでもありません。
国際公共財のはず。
今週末、安倍総理はラオスとカンボジアを訪問されます。
この水問題も話し合われると思います。
中国との関係を正常化させるためにも、インドシナ諸国やインドを味方につける発想で望んでほしいものです。