アメリカ国債のデフォルト危機への対応 | 浜田和幸オフィシャルブログ Powered by Ameba

アメリカ国債のデフォルト危機への対応

国会では安倍首相の所信表明演説に対する各党の代表質問が繰り広げられています。


経済の再生に力点を置く安倍首相は「実行なくして成長なし」とアベノミクス戦略をアピール。


与野党の代表から内外の諸課題について次々に質問が投げかけられているのですが、これまでのところ、安倍首相が無難にさばいているといった状況です。


とはいえ、日本経済の足元をすくいかねない深刻な事態も進行中であり、その対応を誤ると、ようやく前進を始めた「日本丸」が座礁しかねません。


何かといえば、アメリカ国債のデフォルト(債務不履行)の危険性のこと。


アメリカ政府は法律で決められた上限いっぱいの国債を発行しており、この上限を引き上げなければ、新たな国債が発行できないため、手元資金が枯渇してしまいます。


オバマ政権の命運も左右されそうですが、本日、17日がそのデッドラインなのです。


アメリカではすでに国立公園や託児所などの政府機関がストップして大きな社会問題となっています。



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(スミソニアンの博物館も動物園も全て閉鎖中)


このままでは5000万人の低所得者が頼みの綱としているフード・スタンプ(食料引換券)の発給が11月にはできなくなる有様。


実は、アメリカの財務省によれば、日本の政府や民間金融機関は1兆1354億ドル(約111兆円)もの米国債を保有しているのです。


万が一、デフォルトとなれば、米国債の投売りとなり、日本国債に買い換える動きがでるため、ドル安円高になるでしょう。


その結果、日本の輸出産業は痛手を被り、景気の腰折れを招くはず。


邦銀も米国債を大量に保有しているため、米国債の価格下落による損失は免れません。


こうした危機的状況が目の前に迫っているのですが、わが国の国会では誰も取り上げようとしないのが不思議です。


中国に次ぐ米国債の大量保有国としてアメリカ政府に対しても発言力を行使すべき時。


今国会では「機密保護法」が審議される予定ですが、現状では日本政府がいくら米国債を保有しているかも機密情報扱いとなっています。


こうした情報管理の行き過ぎがアメリカ国債をめぐる問題への関心の低さにつながっているとすれば由々しい問題です。


情報開示のあり方を考えねばなりません。