「日本・アルバニア語」辞典の完成を祝う
アルバニアといえば、かつてはオスマントルコに属していましたが、イタリアに吸収されたり、ソ連の影響下に入ったものの袂を分かち、中国に急接近するも路線の違いが鮮明となり、いずれとも距離を置くなど、あくまで独自の道に拘ってきた国です。
そのため、長年にわたり周辺諸国とは“鎖国”状態でした。
1990年代には市場経済に移行する過程でねずみ講が大流行。
1997年のねずみ講破綻の結果、実に国民の3分の1が全財産を失うという経験も。
1998年に新憲法を制定し、EUとの関係を強化するなかで、ようやく落ち着いてきたところ。
そんなアルバニアから初の国費留学生として来日し、東北大学で博士号を修得したのが、現駐日大使のディダ博士。
財政的に苦しい国のため、物価髙の日本で大使として活動するのは並大抵のことではないようです。
しかし、夫人やご子息も大の日本ファンで、ディダ大使の仕事を全面的に支えておられます。
特に、レコ夫人は外交関係の会合でしばしばご一緒するのですが、いつも笑顔で周りを和ませてくれる人気者です。
そんな彼女が「日本・アルバニア語辞典」を完成させました。
これは両国の歴史始まって以来の快挙です。
アルバニア人の日本に対する関心が高まり、日本理解が深まることが期待されます。
これまでは日本人向けのアルバニア語・日本語の辞書はあったのですが、英語表記を使っていました。
レコ夫人が完成させた辞書はアルバニア語36文字を使い、日本語の発音がほぼ完ぺきに表記されるという優れモノ。
日本人も英語を介さず、直接アルバニア語やひらがな、カタカナ、漢字を通じて学べるように工夫されているのです。
わが国の国際交流基金の資金的援助もあり、実に立派で活用のし甲斐のある辞書ができました。
両国の相互理解に欠かせない役割を果たしておられるディダ大使一家。
心より感謝申し上げます。