出でよ、日本!メコン地域が呼んでいる。 | 浜田和幸オフィシャルブログ Powered by Ameba

出でよ、日本!メコン地域が呼んでいる。

メコン地域が「新たな世界の工場」として注目を集め始めています。


チベット高原に端を発し、南シナ海に注ぎ込むのがメコン川です。


流域のインドシナ半島は長年、戦火の絶えない厳しい環境下に置かれていました。


しかし、ようやく政治や治安も安定し、メコン川流域の国々にとっては潜在力を発揮するチャンスの到来というわけです。


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具体的には、タイ、カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナムの5カ国。


2015年末には域内関税も撤廃され、2020年までには域内全体をカバーする9本の縦横断道路網も完成する予定となっています。


これら5カ国にとって、日本は経済技術支援の累積額では断然のナンバーワン提供国です。


こうした積み上げを活かし、日本とすれば本格的な政治、経済関係の強化に取り組まねばなりません。


ところが、このところ中国の参入に加え、域内の先進組であるタイやベトナムによるカンボジア、ラオス、ミャンマーの市場争奪戦が過熱し出し、日本の存在感は薄くなる一方です。


例えば、域内で唯一海に面していないラオス。


人口も640万人ほどですが、水力発電、鉱物資源開発、農業プロジェクトなど、可能性の宝庫と言われているほど。


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そうしたラオスに対する投資や協力案件を見ると、第1位がベトナムで70億ドル。


第2位がタイで48億ドル。


第3位が中国の40億ドル、といった具合です。


さらには、韓国、インド、シンガポール、マレーシア、アメリカ、フランスなども積極的な投資を続けています。


折角、ODAを通じてインフラ整備や教育人材育成に貢献してきた日本ですが、協力支援の最終コーナーで後発組に追い抜かれてしまったようです。


ここは乾坤一擲、メコン地域の総合的な資源開発とアセアン経済共同体の誕生を視野に入れ、国際的な協力体制の構築に猛ダッシュすべき時でしょう。


2億4000万人を超えるメコン地域の人々が日本の出番を待っています。